最新記事

キャリア

工学部出身の投資銀行家が、ウエディングプランナーに転職した訳

I’m a Wedding Planner

2021年4月23日(金)11時43分
ゾーアイ・アン(アン・ウエディングズ&イベンツ代表)

自分で経験して初めてウエディングの奥深さが分かった JEN HUANG

<意義ある仕事を求めた投資銀行家がたどり着いた天職はウエディングプランナー。結婚する2人に送るアドバイスとは>

ウエディングプランナーという職業には、意外な経歴の持ち主が多い。私も大学の専攻は工学で、卒業後に働いたのは投資銀行。でも、いずれは自分で起業し、有意義でクリエーティブな仕事がしたいと思っていた。

2010年に結婚することになり、自分で式の段取りから披露宴まで全部を企画した。とても楽しかった。そして、はまった。

翌年、私はニューヨークでウエディングプランの事業を立ち上げた。不思議なもので、投資銀行時代の経験がこの仕事にも役立った。株取引の現場で身に付けたスピード感や、難しい人ともうまく話を合わせるスキルはウエディングの世界でも不可欠だ。

これまでに大小合わせて70件の結婚式を手掛けてきた。一般に、依頼が入るのは挙式の1年から1年半前。手掛けるのは、いつもなら年に8件ほど。たいてい10件ほどの案件が同時進行している。

ニューヨークでは5月から10月までが結婚式のシーズンで、人気の会場は1年前から予約で埋まることも多い。だから、まずは会場を押さえ、その後に料理やドレスの業者を当たり、カップルの希望に応じて調整する。

最初に手配するのはバンドやDJ、カメラマン。次にフラワーデザイナーや招待状、聖職者。ドレス、ヘアメークや照明係、レンタル品やウエディングケーキなどの細かい部分も詰める。幸せなカップルと相談しながら希望どおりの人を見つけていく作業は、とても充実している。

コロナ禍前に手掛けた最後の豪華なウエディングは、ニューヨークのマンダリン・オリエンタルホテルでのもの。新郎はインド人、新婦は中国人だった。

当日は午前6時から準備を始めた。ヒンドゥー教の儀式が10時に始まるからだ。まず朝食を取り、それから新郎が新婦の元へ赴く。正装した新郎が白馬に乗って介添人を従え、白いトラックの荷台に乗ったドール(太鼓)の演奏とともに、セントラルパークの南西側にあるコロンバスサークルを練り歩いた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ホンダがAstemoを子会社化、1523億円で日立

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

トランプ氏がBBC提訴、議会襲撃前の演説編集巡り巨

ビジネス

英総合PMI、12月速報は52.1に上昇 予算案で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中