「洗濯コースは全自動」ではいけない!? あなたの洗濯は間違っている
洗剤を水に溶かしてから衣類を入れると生地が痛まない
水は服にダメージを与えています。
そのため、洗濯機を使用するときに手動でやってほしいことがあります。そもそも、水自体にかなり洗浄力があります。洗浄力があるというのは、裏を返せば繊維にとって刺激があるということです。色が抜けたり、縮んだり、傷んだりする原因になります。そうならないように、衣類を水から保護しなければなりません。
そのために使うのは、洗剤です。洗剤にはもちろん洗浄成分が入っていますが、しっかり水に混ぜると、衣類を水の攻撃から守ってくれるのです。
タテ型の洗濯機なら、まず洗濯槽に水を張ります。その水に直接、洗剤を入れます。そして2~3分、洗濯機を回します。これで泡が立つので、そこで初めて衣類を入れてください。このひと手間で、洗剤がムラなく溶けて泡立ち、衣類を保護してくれます。
タオルをこのやり方で洗ってみると、いつまでも吸水性が落ちず、ふっくらした風合いが長持ちして、びっくりすると思います。ドラム式の場合は、水と洗剤を先に混ぜることが難しいので、事前に水と洗剤を1対1の割合で混ぜたものを、洗剤ケースに入れればOKです。
このワンアクションで、服が長持ちするようになります。
洗濯物の量は、洗濯槽の6割までにする
せっかく水の量を多くしても、同時に洗濯物の量を増やしたら意味がありません。
むしろ、水量は多くして、洗濯物の量はいままでより少なくする。それくらいの意識でちょうどいいのです。水に対して洗濯物は6割程度、と心得ましょう。といっても、見た目ではわかりにくいですよね。
タテ型の洗濯機なら、洗剤を混ぜた水に洗濯物を入れて、洗濯物を軽くこぶしで押さえたときに、水が手首の上あたりまでしっかり浸っていれば合格です。
一回、手で測ってみれば感覚がつかめると思うので、やってみてください。ドラム式の場合は、先に水を入れることができないので、カラの洗濯槽にまず洗濯物を入れます。そのとき、洗濯物の量はドラムの窓の半分以下(約15リットル)までにしましょう。
それに対して、水量は最大量(25リットル)に手動設定します。水量を自分で変えられない機種の場合は、とにかく詰め込みすぎないこと。ドラムの中で叩き洗いをするので、パンパンに詰め込むと、それだけで洗浄効果が落ちます。水は多めにして、洗濯物は少なくすることが、いい洗濯の絶対条件です。
全自動からマニュアル設定に変えると、洗濯の質が変わる
水量を多めに手動で設定したり、洗剤を先に溶かしたり、と「せっかく全自動洗濯機なのに」とガッカリさせてしまったかもしれませんね。すみません、もうひとつお願いがあります。
「洗い」と「脱水」の時間を、設定し直すことです。
ふだん洗いの場合、タテ型洗濯機なら、洗い8~10分→水量多めですすぎ2回→最後の脱水3~5分を基本にしてください。
ドラム式洗濯機なら、洗い20分→注水すすぎ2回→最後の脱水3分を基本にします。じつは、クリーニング屋でも家庭と同じ洗濯機を使うことがあります。
ただし、全自動ではなく、昭和の遺産のような二槽式タイプです。これは、設備投資を節約するためではありません。昔ながらの二槽式の洗濯機のほうが、手動であれこれ設定しやすいからです。