最新記事

0歳からの教育 みんなで子育て

どう違う? 日本・韓国・中国「祖父母の孫育て」体験記

IT REALLY DOES TAKE A VILLAGE

2020年3月26日(木)18時10分
李娜兀(リ・ナオル、国際交流コーディネーター・通訳)

共働き家庭では、阿姨(アーイー)とか保姆(バオムー)と呼ばれるベビーシッターを頼むことも少なくなく、私も出産後は、北京大学の国際関係学院に通うためにベビーシッターをお願いした。会社員生活を終えたばかりで20代の娘を持つ中高年女性だったので、「孫育て」の予行演習だったのかもしれない。わが家の次女に対しても教育熱心で、絵入りの四字熟語の本を毎日根気強く読み聞かせ、次女は1歳前後で数十個の四字熟語を中国語で読み上げられるようになっていた。中国のお母さんはこうして漢字を覚えさせるのか、とすっかり感心したのを記憶している。

しかし、当時は北京でも月に3000~3500元程度(5万円前後)だったベビーシッターの相場は、最近では5000元(7万5000円)を超えるようになったという。住宅価格の値上がりもあり、天津の知人のように共働きでも住宅ローンを抱えた若い夫婦には、ベビーシッターは気軽に頼れる選択ではなくなっている。現実的には地方の祖父母に来てもらう、あるいは小学校に上がる時期まで地方の祖父母に預ける親が多いようだ。

こうした中国の知人の状況を自分と重ね合わせながら思い起こすのは、1990年代にヒラリー・クリントン米大統領夫人(当時)が書いた『(子育てには)村全体が関わる必要がある(It Takes a Village)』という本のことだ。確かに子育ては両親はもちろん、祖父母、そして保育所などの教育機関と、多くの大人が関わってやっとできるものだと思う。日韓中の「祖父母の子育て」も、祖父母(特に祖母)に過重な負担がかからない形を探ってこそうまくいく、というのが私の結論だ。

<2020年3月31日号「0歳からの教育 みんなで子育て」特集より>

【参考記事】コロナ休校で孫育児... でも祖父母の健康に「孫疲れ」はメリットあり

20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、来週にもベネズエラ制裁さらに解除=ベセント氏

ワールド

吉村・維新の会代表、冒頭解散「驚きない」 高市氏と

ワールド

イラン当局、騒乱拡大で取り締まり強化示唆 ネット遮

ビジネス

決算シーズン幕開け、インフレ指標にも注目=今週の米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 8
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中