最新記事
投資

不動産オーナー調査で見えた、開始すべき時期、他の投資にない「特権」、駅遠物件の価値

2023年3月22日(水)17時50分
毛利英昭(株式会社リンクス 代表取締役)

30代が最適なタイミングと考える不動産オーナーは「仕事をして10年ほどが経ち、将来の考え方がまとまってくる」「仕事も一通り経験してお金も溜まっている。35年ローンを返すタイミングと定年が同じタイミング」との回答があります。

経験者が実感している不動産投資のメリットとは

また、アンケートに回答した不動産オーナーは、95%以上が不動産以外の株式や投資信託といった投資の経験がある方ということもわかっています。複数種類の投資経験者が、他の投資と不動産投資を比較した時にメリットと感じることとして「ローン(融資)を組んで投資ができること」であり、自己資本以外の力をかりて投資ができることを魅力に挙げています。

融資、つまり、お金を借りることに対してマイナスのイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、自己資金を使わずとも投資を開始できるという意味において、ポジティブに融資を選択する方も少なくありません。「お金を借りる特権」がある投資は他になく、不動産投資をするオーナーもその点を一番のメリットと評価しています。また「毎月定額の家賃収入が入り比較的安定していること」や、「(株式などと比べて)中長期的に資産形成ができる」ことも半数近くのオーナーがメリットと捉えています。

駅近でない物件は投資に不向きか

では、投資物件はどのように選べばよいでしょうか。

早く探し始めたほうが良いですが、どこでも買ってよいわけではありません。やはり、良い立地を選ぶことは大切です。

例えば、大阪では「大阪駅前うめきた2期地区再開発」「森ノ宮駅前再開発」、博多も福岡市が主導して実施している「天神ビッグバン」で街並みが大きく変化しています。ここで重要なのは、再開発のエリアを見るのではなく「そのエリアに通勤や通学をする人がどこに住むか」です。駅であれば再開発エリアから2~3駅の場所が人気となります。

ただし絶対「駅近」で、特に駅から5分以内の「超駅近」である必要はありません。コロナ禍で密を避けるため、また健康維持や節約を目的に自転車移動に変えた人も増えていると考えらえます。例えば大阪では駐輪場や自転車専用通路が増え、通勤や通学に自転車を利用する人が急激に増えています。そのような移動手段の変化からも「自分だったら、どこに住むか」を考えて、投資する物件のエリアを決めることが大切です。

また、投資目的の不動産を販売する営業担当から「自分で住まないのだから、見なくても良いと言われた」と聞くことがあります。しかし入居者から考えると、物件だけでなく近隣環境など、日々の暮らしを考えて物件を選ぶことから、空室になりにくく今後も人気で価値が下がりにくい物件と出会うには、自分自身で見て選ぶことは必須と言えます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中