軽視されてきた「黒人の歴史」...忘れられた功績に光を当てる作品の意義を、モーガン・フリーマンが語る
Black History Is American History

この作品は第761大隊の全てを概説する。彼らの訓練内容、訓練期間、非常に厳しい訓練を積んだ理由、彼らがなぜ招集されたのか、フランスに到着した彼らの身に何が起きたのか。
第761大隊は仲間内では「バスタード・バタリオン(ろくでなし大隊)」と呼ばれ、必要に応じて所属が転々と変わり、常に歩兵連隊と行動を共にした。彼らはフランスに到着すると戦闘任務に就いて次々と戦果を上げたため、183日間連続で最前線に配備された。
数々の功績を残したにもかかわらず、彼らの戦功をたたえて賞が授与されたのは終戦から30年以上たってからだった。個人的には、黒人の歴史を軽視したことに対して、演壇に立って怒鳴りつけたい。黒人の歴史はアメリカの歴史だ。いまだに歴史から抜け落ちたままになっている部分を修正するのが今の私の仕事だ。
驚くべき真実が明らかに
私が子供の頃、ジェシーとウィリーという2人のおじが招集されて第2次大戦に従軍した。
幼かった私は何が起きているのかよく分かっていなかったが、戦争が起きていることは知っていた。当時はミシシッピ州に住んでいて、その後一家でシカゴに引っ越した。シカゴには夜間の空襲などに備えて灯火管制区域があり、屋内の光が外に漏れないようブラインドを全て下ろし、灯油ランプの明かりを落とした。
私が6歳半くらいの頃、おじたちの1人が太平洋で戦闘中行方不明になったと聞かされたのを覚えている。遺体が見つからないため戦死とは言えなかったのだ。
私は何年も2人のおじに関する記録を探したが、何一つ見つけることができなかった。ところが、監督のフィルが並外れた調査能力を発揮し、ウィリーが配備されたのは太平洋ではなくフランスだったことだけでなく、戦死でもなかったことを突き止めた。ウィリーは殺されたのだ。私たち制作チームは次回、この大いなるミステリーの解明に挑むつもりだ。
それらの記録は私にとって驚くべき発見で、おかげで実際には何が起きたのかが分かった。2人のおじがいなくなったとき私は6歳で、最後に彼らと会ったのは父方の祖母が死んで葬儀のために彼らが帰郷したときだ。2人とも軍服を着ていた。その後の消息は噂や人づてに聞くばかりだった。
自分が発見したことについて感じたことをどう表現したらいいか分からないが、真実を突き止め、「誰が」「何を」「どこで」「なぜ」を知るのは喜ばしいことだ。第761大隊のような大隊が当時しかるべき評価を与えられていたら、アメリカの社会状況はきっと違っていたはずだ。
黒人は注目に値するような重要な功績は全く残していない、と多くの人が考えている。しかし、それは歴史から抜け落ちているにすぎない。
これは私たちの物語。私たち全員の、ありのままの私たちの物語である。この物語はアメリカの歴史なのだ。
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