最新記事

スポーツ

パラグアイで受け継がれる日本の野球、藤川球児は「中南米の野球文化も素晴らしい」とエール

2023年2月14日(火)17時15分
※JICAトピックスより転載
藤川球児

地元高知の子どもたちへの野球指導を熱心に行っている藤川さん。高知県東部の訪問が叶っていなかったことから、今回、東部の芸西村での野球教室の開催を決めたという

<元メジャーリーガーの藤川球児さんが、日本の高知でプロ野球選手を目指す若者、パラグアイの野球指導者と語り合った。なぜパラグアイで日本の野球なのか。国境を超えるスポーツの力とは何か>

日本の「地球の裏側」、南米・パラグアイからは土佐弁が聞こえてくる――? 実は、パラグアイをはじめとする南米には、戦後、国策で多くの日本人が移り住み、現在も200万人の日系人が暮らしています。特にパラグアイの日系1世には、意外なことに高知県出身者が多く、日系人コミュニティには高知の文化が根付いているそう。

そんなパラグアイと高知が結びつく座談会が開催されました。2022年12月初旬、高知県芸西村の座談会会場に現れたのは、高知県出身の元メジャーリーガー・藤川球児さん。そして、同年春にプロ野球選手を目指してパラグアイから来日し、藤川さんも所属していた四国独立リーグの「高知ファイティングドッグス」練習生となった二口卓矢さん。さらに、JICAと高知ファイティングドッグスが連携して実施する「野球指導者の人材育成」プログラム(注1)の研修員として来日した、パラグアイの野球指導者・古賀豊さんです。

「野球」という共通言語でつながった3人が、国境を越えるスポーツの力、パラグアイと日本の野球について語り合います。

jicatopics20230213-fujikawa-2.jpg

左から古賀豊さん、藤川球児さん、二口卓矢さん。座談会は、芸西村で開催された高知ファイティングドッグス主催の野球教室に合わせて行われた。野球教室には、古賀さんと二口さんもJICA研修の一環でサポートして参加

遠くパラグアイで受け継がれる、日本の野球

《南米ではサッカー人気が非常に高いですが、パラグアイの日系人コミュニティでは野球が盛んだそうです。藤川さん、ご存知でしたか?》

●藤川球児さん(以下、藤川さん):
ブラジルの話になりますが、高校選抜で1週間ほどブラジル遠征に行ったときに、現地で日系の選手がプレーしていて、野球は日系人の方々がまとまるための一つの文化なんだなと感じたことがありました。高校の先輩でもある元ヤクルト・岡林洋一さん(注2)はパラグアイ出身ですし、南米に移住された日系1世の方々がしっかりと伝えてくれたものが受け継がれていることを感じます。

●古賀豊さん(以下、古賀さん):
日系人コミュニティでは僕らの親世代から野球を楽しんできました。日系人が日本という国の文化を感じ、プレーを通じて心を一つにする場が野球なんです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、28年の副大統領立候補を否定 「あざと

ビジネス

韓国との通商合意、大統領訪問中にまとまる可能性低い

ビジネス

JPモルガンの米安保ファンド、最初の投資先はアンチ

ビジネス

ムーディーズ、日本の格付けA1を確認 見通しは安定
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水の支配」の日本で起こっていること
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 5
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下にな…
  • 6
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 7
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 8
    1700年続く発酵の知恵...秋バテに効く「あの飲み物」…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    【テイラー・スウィフト】薄着なのに...黒タンクトッ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中