史上最低レベルの視聴率で視聴者が反省会まで 朝ドラ「ちむどんどん」、沖縄県民が挙げた問題点とは
優子は子供たちが小さい頃からどこか危なかっしい部分があった。
非力ながらも土木工事に従事して体を壊したのは、子供たちの運動靴や体操着を購入するためだが、にいにいが誤って飼っていた豚の前に置きっぱなしにしたため、靴も体操着もズタボロに。それでもにいにいに向かって聖母のようにほほ笑みを絶やさない優子......。視聴者は怒りを通り越して、もはや彼女の精神構造を心配してしまうレベルだったのだ。
「女親というのは、たいがい息子には甘いもの。彼が何歳になってもかわいくて仕方がないのはわかります。でも、優子の度を越した甘さや優しさは子供を増長させ、見ている人間をイライラさせるだけです。沖縄の人間はおっとり優しい人が多いとは思いますが、にいにいと同様共感ができずイラーっとさせるキャラ設定は、ある意味ウチナンチュへの侮辱ですよ(苦笑)。これでは朝から見たくなくなる」(前出B子さん)
後日放送のエピソードで、優子の桁外れの優しさは、第二次世界大戦の沖縄戦で家族を亡くしたトラウマがあったからだと判明した。しかし、それを差し引いても甘すぎる。
インテリ和彦の優柔不断・傲慢ぶり
違和感のある役柄はまだほかにもいる。にいにいほど"おバカ"ではなく、むしろ知的レベルが高いと思わせるのが、暢子の幼なじみの和彦(宮沢氷魚)。この人も戦犯かもしれない。
とにかく視聴者をイラつかせることこの上ない。インテリぶりから起因する優柔不断さや傲慢ぶりがそれに拍車をかけている。
ちなみにドラマのキャラ設定が視聴者の共感を得られないのは前述のとおりだが、シチュエーションも唐突すぎてこれまた共感できない。
例えば、暢子と約10年ぶりに東京で再会した和彦は新聞記者になっていた。暢子が働いていたイタリア料理店のオーナーが、その新聞社の記者と懇意にしていたので「暢子は常識がなさすぎて店では使えない。だから、あなたの新聞社でボーヤ(下働き)として鍛えてくれ」と記者に頼み込む。そして新聞社の記者となっていた和彦と再会するというわけだ。
しかし、だ。暢子に常識がないのは前からわかっていたことであり、なぜ今さらそれをオーナーが言い出すのか、しかも人手不足の料理店からわざわざボーヤに出す意味もわからない。
つまりは和彦と再会させるためのドラマ演出上の苦肉の策。この類いの無理やりなシチュエーションが、ドラマのあちこちに散りばめられている。
話を戻そう。
和彦の戦犯確定エピソードは2つ
和彦の戦犯確定の2つ目エピソードは、遺骨収集をするご老人に向かい「今のお気持ちをお聞かせください」と詰め寄る取材マナーのかけらもないシーン。しかも、ご老人は事前に取材を拒否していたのだ。
「メディアとして権威が失墜した現在ならいざ知らず、70年代のメジャーな新聞社なら、確かにこうした無礼な手法はやりかねないかもしれません。大新聞社が取材をやってあげているという上から目線な態度は、かなりリアルかも。ただ、視聴者の印象は悪い」とB子さん。