中二病のカイロ・レンが愛おしい
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<レジスタンスとファースト・オーダーの決戦、パルパティーン皇帝の復活、新たな登場人物......と盛りだくさんのシリーズ最終章『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』>
ついにシリーズの最終章『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開される(12月20日)。ネタバレはしないよう、ここで一足早く紹介をしてみたい。
遠い昔、はるか彼方の銀河系で......もちろんオープニングはおなじみのもので、あの音楽を聴き、映像を目にするだけでわくわくが止まらない。おなじみとなった登場人物たちとの再会も大いなる喜びだ。
レジスタンスとファースト・オーダーの戦い、レイとカイロ・レンの対決、パルパティーン皇帝の復活、過去の物語とのつながりと伏線の回収、そして新たな登場人物たち――最終章として描くべきものが多過ぎるため、展開がなんとも目まぐるしい(良く言えば「盛りだくさん」だが)。それゆえに、パルパティーンとの重要な対峙場面が冗長に思えたり、反対に描写が足りないと感じたりするところが出てきてしまう。
それでもファンにとっては、十分に楽しめる。過去作を見直してみよう、と思う気持ちにもきっとなるはずだ。
『スカイウォーカーの夜明け』で、なにより注目されるのはレイの出自、そして光を象徴するレイと、闇に落ちたカイロ・レンの関係がどうなるのかだろう。前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で反発し合いながらも、通じる部分のあった2人だが、今回はその点がさらにはっきりと描かれる。光と闇は対照的であると同時に、片方がなければ片方は成立しない。そのバランスと緊張感が画面から伝わってくる。
「スター・ウォーズ」シリーズでは激しい戦闘シーンや悲しい描写があっても、なぜかほかの映画にはない「優しさ」があるように思う。それは人間からドロイド、動物まで、多種多様なキャラクターたちが共存しているおかげだろう。「世の中にはいろんな人がいて、映画の中に『自分みたいだ』と思える人が出てくることは非常に重要だ」とエイブラムズ監督が語っているように、あらゆる存在を包み込む宇宙の大きさが感じられるのだ。
別れと出会い、大切な仲間との信頼と絆が物語の1つの軸であり、筆者は途中から涙腺がゆるみっぱなし。個人的には、好きな人(たち)に振りむいてもらいたくて必死で、悪者になり切れない中二病のようなカイロ・レンが愛しくて仕方がなかった。