韓国男子、性との遭遇 日本のAVから性教育での仏「過激」映画まで
韓国は規制が厳しいとはいうものの、一般映画のなかには性器のモザイクなし上映が認められた作品も存在する。例を挙げると、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『ドリーマーズ』、アン・リー監督の『ラスト、コーション』、スタンリー・キューブリック監督の遺作『アイズ ワイド シャット』などが有名である。韓国映画のなかでは、鬼才パク・チャヌク監督の『渇き』が有名だ。人気俳優ソン・ガンホのモザイクなしの全裸が大きな話題となった。
しかし、性器露出といえば、韓国内初の「等級保留」審議を受けた映画『LIES/嘘』(チャン・ソヌ監督)だろう。1999年に制作され、第56回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に韓国映画として12年ぶりに正式出品されたものの、その後韓国内のレーティングが保留されたため公開ができなくなってしまった。その後2回の修正が行われてやっとR-18作品として国内上映が認められた問題作だ。
このように問題視されながら封切られる映画は、性器露出を認めるべきか否かが毎回大きな話題となるため、映画のマーケティング会社はこれを狙ってわざと問題を大きくする場合もある。実際、『LIES/嘘』の韓国内正式ポスターでは「20世紀が拒否した映画、21世紀にようやく公開される!」といったキャッチコピーを載せ、規制によって公開が遅れたことを逆手に取ったプロモーションが印象的だった。
性教育の授業で「過激」な映画を上映
このように、AV業界や性器露出シーンが話題になる世の中で、今後「性の在り方」をどのように子供たちに正しく伝えるかは、重要な問題になるだろう。そんななか、韓国・光州市にある中学校での出来事が、警察を巻き込む騒動へと発展し波紋を広げている。
ある中学教師が性教育授業中に、『Oppressed Majority』という11分間のフランス短編映画を上映したのだ。これが授業に認められた性教育教材ではなかったとして、光州南部警察は9月3日この教師を警察に呼び調査をした。
映画の内容は、「もしも男女が入れ替わった世界だったら......」という立場を入れ替えて問題点を明確にする"ミラー効果"と呼ばれる手法を用いたフィクションで、ある男性の1日を描いている。男性は出勤中に不良の女性たちにセクハラを受け、凶器をちらつかされながら数人に性的暴行を受ける。彼は警察に被害届を出し、その後奥さんが彼を迎えに来て家に帰るまでの話だ。
不良女性の一人が立ちションをするかのように、路上で排泄するシーンがあったり、警察ではレイプの状況を説明すると女性警官にからかわれたり、現在の女性蔑視の問題を男女入れ替える手法で皮肉たっぷりに表現している。