最新記事
株の基礎知識

投資信託とETFはどう違う? ETF特有の2つのデメリットとは?

2023年4月7日(金)12時10分
井本ちひろ ※かぶまどより転載

投資信託とETFのメリットとデメリットは?

投資をするにあたって気になるのが、投資信託とETFのメリットとデメリットではないでしょうか。それぞれの比較をしやすいように、ひとつの表にまとめてみました。

kabumado20230407etf-3.png

こうしてまとめてみると、投資信託とETFは、メリットとデメリットともに共通点が多いことがわかります。

少額投資や分散投資ができること、運用をファンドマネージャーに任せられるなどのメリットは共通。メリットの部分で異なるのは、投資信託でいえば種類が豊富な点、ETFでは値動きがわかりやすい点とリアルタイムで売買できる点(上で述べたとおり)です。

デメリットの共通点は、手数料や諸経費がかかることと元本保証がないこと。

上の表でも示したように、投資信託とETFは売買や保有に費用がかかります。ただ、なかには「ノーロード型」という購入手数料がかからない商品もあるので、購入前に必ず確認しておきたいところです。

また、投資信託とETFはともに、価格の変動によって保有している額(評価額)が投資額よりも下回った(元本割れした)としても、元本が保証されることはありません。投資した金額を回収できない可能性もあるということです。

■ETF特有の2つのデメリット

ここからはETF特有のデメリットを2つお伝えします。

ひとつ目は、取引価格に関するデメリットです。前項でも説明したように、ETFはリアルタイムで市場価格が変動するため、想定していた価格よりも高値での購入や安値での売却になる場合もあります。特に、大きな値動きをするように設計されたETFの場合は、しっかりと価格を見ておく必要があります。

ふたつ目のデメリットは、分配金が自動で再投資されない点です。

分配金の支払い方には「受取型」と「再投資型」の2種類があり、「受取型」は文字通り分配金を現金で受け取ることをいいます。「再投資型」は、受け取った分配金を使って同じ商品を追加購入できる支払い方法です。

通常の投資信託では分配金を自動で再投資することが可能ですが、ETFは決算時にすべての分配金が支払われるため、自動での再投資ができません。分配金を再投資に回したい場合は、自分で新たに買い付けることになります。

投資信託とETF、初心者におすすめなのはどっち?

投資信託とETFは、「どちらが優れていて、どちらが劣っている」というものではありません。ただ、人によって「どちらが向いていて、どちらは向いていない」ということはあり得ます。

どちらが向いているかは、その人の資産運用のスタイルや目的で決まります。もちろん、投資信託とETFの両方を組み合わせることも可能。

株式投資は、ゆっくりじっくりの長期投資をすれば、損をするリスクも減らすことができます。投資信託とETFは共通点も多いですが、異なる部分もあるため、両者のメリットとデメリットを把握したうえで投資をはじめることが大切です。

(参考記事)「レバナス民の悲劇」はなぜ起きたのか? 資産形成のための投資に必要な3つのこと

[執筆者]
井本ちひろ(いもと・ちひろ)
ライター。大学時代に得た経験とファイナンシャルプランナーの資格を活かし、お金に関する記事を中心に執筆。子育て中の母でもあり、主婦目線での資産運用に関心あり。夫ともに日々実践中。

※当記事は「かぶまど」の提供記事です
kabumado_newlogo200-2021.jpg

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米上院通過の税制・歳出法案、戦略石油備蓄の補充予算

ビジネス

物言う株主、世界的な不確実性に直面し上半期の要求件

ワールド

情報BOX:日米関税交渉の経緯、協議重ねても合意見

ワールド

豪小売売上高、5月は前月比0.2%増 予想下回る
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中