最新記事

株の基礎知識

株価が「10倍」になる株に出合う、たったひとつの方法

2021年10月15日(金)06時30分
岡田禎子 ※かぶまどより転載

■テンバガーの8割は時価総額100億円以下

それに対して時価総額が100億円の企業というのは、テンバガーで10倍になったとしても、まだ時価総額1000億円。1兆円の企業から見れば10分の1の規模です。

現在の規模(時価総額)が小さい企業は、サービスや商品が社会に認められて成長軌道に乗れば、株価もぐんぐん成長し、あっと言う間に2倍3倍、そして10倍へと拡大していくことも難しくありません。

加えて、時価総額が「100億円」や「300億円」といった節目となる水準に達すると、さらに大きくジャンプアップする可能性があります。それまで時価総額の小ささゆえに社内規定に縛られて買うことができなかった機関投資家なども、買いに入りやすくなるからです。

つまり、格別に大きな利益をもたらす可能性があるのは時価総額の小さい株、ということです。

実際、リーマンショック以降に株価が10倍になった株(テンバガー)のうち、実に8割は時価総額が100億円以下の株でした。

●ケアネット<2150>

医療者向けウェブサイトを運営するケアネット<2150>。医薬営業支援サービスなども手がけており、医療業界のDX銘柄として注目を集めています。

特に、コロナ禍で製薬会社のDX化が加速したことで、医薬営業支援サービスが好調に推移。2020年初め頃に700円台だった株価は、12月には6420円まで駆け上がり、2021年に入って5月末には8,000円を突破。短期間でテンバガー(10倍株)を達成しました。

kabumado20211015-10bai-chart1.jpg

時価総額80億円の頃にケアネット株を手に入れていたら、夢のテンバガーです。

それでは、時価総額はどうなっているでしょうか?

2020年初め、ケアネットの時価総額は80億円程度でしたが、4月に節目となる100億円を突破。それを境に出来高(売買が成立した株数)も急激に増加し始め、8月には次なる節目の300億円に達し、2021年5月には800億円を超えました。

kabumado20211015-10bai-chart2.jpg

注目したいポイントは、上でも説明したように、100億円、300億円というの節目で出来高が増え、それによって時価総額もジャンプアップしていること。このような「節目」は様々なところにありますので、常に意識しておくことが勝てるコツになります。

大化けする小型株はどこにある?

株価が大きく成長する株価を見つけるには、時価総額が大きな株(=大型株)ではなく、時価総額の小さな株(小型株)を探せばいい──では、どこを探せば時価総額が小さく、今後成長しそうな株に出会えるのでしょうか?

時価総額の小さな株は、主に新興市場で売買されています。新興市場とは、若くて成長性の高い企業が多く上場している「東証マザーズ」や「ジャスダック」を指します。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中