最新記事

株の基礎知識

株価が「10倍」になる株に出合う、たったひとつの方法

2021年10月15日(金)06時30分
岡田禎子 ※かぶまどより転載

Devonyu-iStock.

<シンプルに銘柄(企業)同士を比べたいときに便利な物差しは「時価総額」。では、テンバガーを発掘するためには時価総額をどう使えばいいか>

儲かる株を見つける「物差し」

「株価が2倍3倍と伸びていくような、格別に儲かる株が欲しい!」

そう意気込んで株式投資を始めたのは、とある株初心者くん。いま話題の株や、決算が良かった株、チャートの形が抜群の株など、あれこれと手を尽くして研究してみたものの、結果はパッとしません。

一方で、この道20年の大ベテランさんは、またひとつテンバガー(株価が10倍になること)を発掘。人生の特等席から余裕の微笑みを浮かべて、のんびりと相場を眺めています。

「銘柄選びにあれこれと手を出すのは、株式相場を知らない奴のすることだ。格別に儲かる株を見つけるには、たったひとつ、『ある物差し』を使えばいいのさ」

さて、その物差しとは何でしょうか? 先に答えを言ってしまうと、それは「時価総額」です。

時価総額とは?

株式投資は比較と選択のゲームであり、投資家は、他と比べて最も魅力的な銘柄を選択しようとするものです。

銘柄のどこを比較して、何を拠り所として選択するか。投資家それぞれの考え方やスタイルがあり、比較するポイントも選択の決定打も、それこそ投資家の数だけあると言っても過言ではありません。

ただ、特に株を始めたばかりの初心者からすれば、「シンプルに銘柄(企業)同士を比べたい!」と思うかもしれません。

そんなときに便利に使える物差しとなるのが「時価総額」です。

時価総額とは、投資家が評価したその企業の価値を表す指標です。極端に言えば、その企業を丸ごと手に入れたい場合いくら用意すればいいのか、ということ。

時価総額は、企業が実際に発行した株式の総数に現在株価をかけ合わせることで算出されます。

●時価総額(円)=発行済み株式総数×株価

例えば、2021年9月13日時点のソニーグループ<6758(旧・ソニー)>の発行済み株式総数は1,261,058,781株、株価は12,235円ですので、時価総額は約15兆円となります。

●1,261,058,781株×12,235円=15,429,054,185,535円(15兆4290億5418万5535円)

つまり、15.5兆円ほどあればソニーのすべてを買収できる、というわけです(実際には、そう事は簡単ではありませんが)。

時価総額を物差しとするメリット

時価総額を物差しとして使えば、企業と企業を簡単に比較することができるようになります。

■どんな国の企業でも同列に比較できる

まず、世界中のどの国の企業であっても同じテーブルに載せて比較することができる、という点が挙げられます。

例えば、日本のトヨタ自動車<7203>とアメリカのアップル<APPL>は、どちらの会社のほうが大きいのか?という疑問が湧いたとき、時価総額という数値を用いれば簡単に答えが出せます。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ436ドル安、CPIや銀行決算受

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中