株価が「10倍」になる株に出合う、たったひとつの方法
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<シンプルに銘柄(企業)同士を比べたいときに便利な物差しは「時価総額」。では、テンバガーを発掘するためには時価総額をどう使えばいいか>
儲かる株を見つける「物差し」
「株価が2倍3倍と伸びていくような、格別に儲かる株が欲しい!」
そう意気込んで株式投資を始めたのは、とある株初心者くん。いま話題の株や、決算が良かった株、チャートの形が抜群の株など、あれこれと手を尽くして研究してみたものの、結果はパッとしません。
一方で、この道20年の大ベテランさんは、またひとつテンバガー(株価が10倍になること)を発掘。人生の特等席から余裕の微笑みを浮かべて、のんびりと相場を眺めています。
「銘柄選びにあれこれと手を出すのは、株式相場を知らない奴のすることだ。格別に儲かる株を見つけるには、たったひとつ、『ある物差し』を使えばいいのさ」
さて、その物差しとは何でしょうか? 先に答えを言ってしまうと、それは「時価総額」です。
時価総額とは?
株式投資は比較と選択のゲームであり、投資家は、他と比べて最も魅力的な銘柄を選択しようとするものです。
銘柄のどこを比較して、何を拠り所として選択するか。投資家それぞれの考え方やスタイルがあり、比較するポイントも選択の決定打も、それこそ投資家の数だけあると言っても過言ではありません。
ただ、特に株を始めたばかりの初心者からすれば、「シンプルに銘柄(企業)同士を比べたい!」と思うかもしれません。
そんなときに便利に使える物差しとなるのが「時価総額」です。
時価総額とは、投資家が評価したその企業の価値を表す指標です。極端に言えば、その企業を丸ごと手に入れたい場合いくら用意すればいいのか、ということ。
時価総額は、企業が実際に発行した株式の総数に現在株価をかけ合わせることで算出されます。
●時価総額(円)=発行済み株式総数×株価
例えば、2021年9月13日時点のソニーグループ<6758(旧・ソニー)>の発行済み株式総数は1,261,058,781株、株価は12,235円ですので、時価総額は約15兆円となります。
●1,261,058,781株×12,235円=15,429,054,185,535円(15兆4290億5418万5535円)
つまり、15.5兆円ほどあればソニーのすべてを買収できる、というわけです(実際には、そう事は簡単ではありませんが)。
時価総額を物差しとするメリット
時価総額を物差しとして使えば、企業と企業を簡単に比較することができるようになります。
■どんな国の企業でも同列に比較できる
まず、世界中のどの国の企業であっても同じテーブルに載せて比較することができる、という点が挙げられます。
例えば、日本のトヨタ自動車<7203>とアメリカのアップル<APPL>は、どちらの会社のほうが大きいのか?という疑問が湧いたとき、時価総額という数値を用いれば簡単に答えが出せます。