最新記事

株の基礎知識

フィンテックだけじゃない。エドテックからリーテックまで、注目の「テック株」はこれだ

2021年6月28日(月)17時10分
山口 伸 ※株の窓口より転載

不動産のハードルを下げる「ReTech」とは

不動産(Real Estate)とテクノロジーを組み合わせた「ReTech」は、ICTなどの新技術を使って不動産の管理や取引をより円滑にします。日本国内では「ReTech」よりも「不動産テック」のほうが一般的なようです。

2020年の後半はコロナショックからの回復で日経平均株価が上昇しましたが、特にIT関連株の伸びが大きく、その流れで不動産テック銘柄も注目を浴びました。

●プロパティデータバンク<4389>

2000年に設立されたプロパティデータバンク<4389>、オーナー企業を対象とした不動産管理クラウドシステムを提供しており、利用者は土地情報や写真などの基本情報を管理できるほか、出入金管理などの会計業務、メンテナンス業務をひとつのクラウドでできるようになります。

プロパティデータバンクの株価は、2020年5月までは3桁でしたが、現在は2,000円弱を推移しています(株価チャート参照)。

kabumado20210628fintech-chart5.png

●GA technologies<3491>

同じく注目度の高い不動産テック企業が、GA technologies<3491>です。BtoC向けに不動産物件のポータルサイト「RENOSY(リノシー)」を運営するほか、BtoB向けにはCADデータ作成ソフト、業者間のプラットフォームなども提供しています。

GA technologiesの株価は、2020年5月の900円台から10月には3,000円を突破。2020年の一年でプラス124.5%という急上昇を遂げました(株価チャート参照)。

kabumado20210628fintech-chart6.png

不動産テック銘柄を考える際は、当然、不動産市場の状況も把握したほうがよいでしょう。

次なるテックでテンバガーを狙う

以前はフィンテック銘柄だけが注目を浴びていましたが、近年ではエドテックや不動産テックなど、さまざまなテック株にも熱い視線が注がれるようになりました。

なかには業績とともに株価も大きく伸ばしている企業もあり、テンバガーを狙える銘柄として魅力的に見えるかもしれません。ただし、テック株だからといってすべてが上がるわけではなく、また、比較的不安定な新興市場の銘柄も多いため、そうしたリスクは十分に理解しておきたいところです。

テクノロジーの進化は今後も続いていくでしょうから、次々と新たな「◎◎テック」が誕生することも予想されます。安易に飛びつくのは危険ですが、それでも目新しさや成長への期待は大型株にはない魅力ですので、時にはこうした銘柄に注目してみるのも面白いのではないでしょうか。

2021/05/21

[執筆者]
山口 伸(やまぐち・しん)
化学メーカー勤務の研究開発職。平日は研究に没頭するが、お金や資産運用にまつわる話が好きで、休日は資格を活かした副業と株式投資にいそしむ。趣味は街歩きと読書。

※当記事は「株の窓口」の提供記事です
kabumado_logo200new.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インタビュー:トランプ関税で荷動きに懸念、荷主は「

ワールド

UBS資産運用部門、防衛企業向け投資を一部解禁

ワールド

米関税措置の詳細精査し必要な対応取る=加藤財務相

ワールド

ウクライナ住民の50%超が不公平な和平を懸念=世論
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中