最新記事

株の基礎知識

フィンテックだけじゃない。エドテックからリーテックまで、注目の「テック株」はこれだ

2021年6月28日(月)17時10分
山口 伸 ※株の窓口より転載
テック企業のオフィス

写真はイメージです alvarez-iStock.

<フィンテックを筆頭にさまざまな「テック株」が登場している。日本株、米国株で注目の銘柄は?>

注目が集まる「◎◎テック」とは?

近年、株式市場に新風をもたらす業種・銘柄として注目が集まっているのが、いわゆる「テック株」です。フィンテックを筆頭に、最近ではさまざまな「◎◎テック」が聞かれるようになりました。

■金融+テクノロジー=フィンテック

既存事業にテクノロジーを融合させることで革新をもたらす「◎◎テック」の代表がフィンテックです。

フィンテック(FinTech)とは「金融(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた言葉で、ICT(情報通信技術)を使った革新的な金融サービスのことをいいます。2015年前後からメディアなどでも紹介されるようになり、関連銘柄が注目を浴びました。

例えば、スマホによる電子決済サービスを提供するウェルネット<2428>もフィンテック銘柄として株価を伸ばしました(株価チャート参照)。2013年1月に400円弱だった株価が2016年には2,000円台を突破するなど、3年で5倍以上の伸びです(現在はまた大きく下げていますが)。

kabumado20210628fintech-chart1.png

■さらに広がるテック企業

最近は、ICT技術が私たちにとってより身近な部分にも応用されるようになり、フィンテック以外の◎◎テックと、それを提供するテック企業も数多く登場しています。

例えば、教育分野にテクノロジーを活用する「エドテック(EdTech)」や、農業にテクノロジーを応用した「アグリテック(AgriTech)」、法律分野にテクノロジーを生かす「リーガルテック(LegalTech)」、さらに不動産取引にもテクノロジーが活用され始めています。

教育分野に貢献する「EdTech」とは

電子教科書やオンライン授業など教育のデジタル化が進んでいますが、そうした技術を支えているのがエドテック(EdTech)です。文部科学省がデジタル教科書の併用を進めていることから、国策に関連した銘柄としても注目されています。

●チエル<3933>

ジャスダックに上場しているチエル<3933>は、日本の小中高校そして大学向けに、学習用クラウドソフトやデジタル教材、タブレット端末を供給するエドテック企業です。学校はクラウドによって出欠管理を自動化できるほか、授業では端末を通じて教員の教科書を児童・生徒に共有することもできます。

同社の株価は2019年には400~500円台を推移していましたが、コロナ禍でオンライン授業を取り入れる学校が増えたことから好業績となり、2020年6月には2,485円の上場来高値をつけました(株価チャート参照)。

kabumado20210628fintech-chart2.png

現在は1,500円台を推移していますが、文科省の方針次第によっては再度大きく伸びることもあるかもしれません。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、香港の火災報道巡り外国メディア呼び出し 「虚

ワールド

26年ブラジル大統領選、ボルソナロ氏長男が「出馬へ

ワールド

中国軍機、空自戦闘機にレーダー照射 太平洋上で空母

ビジネス

アングル:AI導入でも揺らがぬ仕事を、学位より配管
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中