最新記事

株式投資

株を始めるなら知っておきたい、「投資」と「トレード」の違い

2021年1月7日(木)13時15分
酒井理恵(ライター)

投資とトレードでは活用する情報が異なる

投資とトレード、どちらを選択するかで必要となるスキルや心構え、取り入れるべき情報は異なる。それにもかかわらず、それぞれの情報を混合して取り入れてしまっている人が少なくない。

投資に興味があれば、世界的投資家であるウォーレン・バフェット氏の名前を聞いたことがあるだろう。彼の投資哲学には、「自分が理解できる事業内容であること」「長期的に成長が見込めること」「よい企業を安く買うこと」などがある。

これをトレードの運用スタイルを採る人が活用しようとして、「PER(株価収益率)が低いからこの株はお得だ!」「下落してしまったけど、この会社は将来性があるからまだ持っておこう」と考え始めると失敗してしまう。

逆に、投資をしている人が日々の株価の変動に慌てふためくのも間違いのもとだ。

注意すべきは、長期=投資、短期=トレードではないということ。あくまで、資金を投じるための焦点が何に向いているのかが基準となる。

投資は「目利き」、トレードは「精神力」

投資とトレードの大きな違いは、資金を投じる判断基準が「企業の今後の成長」にあるか、「株価の動き」にあるかだ。

投資の場合、企業の財務状況や業績、業界の将来性などを分析し、今後株価が上がる潜在的な能力があるかどうかを見極める必要がある。何より重要なのは「目利き」だ。

「ひふみ投信」の運用で知られるレオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長の藤野英人氏も、長期投資を勧める1人。

「その会社は私たちの生活を快適で楽しい物にすることに貢献をしているか。10年後、20年後にも必要であり続けるか。その会社ならではの強みがあるか。進化し続けるDNAがあるか。高い理想に基づく明確なビジョンがあるか――。これらが『いい会社』を選ぶための、チェックポイントです」(藤野氏の著書『お金を話そう。』より)

短期的な株価の変動を気にする必要はないが、企業や業界の動向には常に目を光らせなくてはならない。

一方、トレードには株価を動かす要因である市場参加者の心理と、過去から現在までの株価チャートのパターンを分析し、売買のタイミングを見極めることが求められる。

短期で利益を出すには値動きの激しい銘柄で勝負しなければならず、それだけリスクも高い。だが、現役トレーダーで、オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」の講師を務める窪田剛氏によれば、トレードならではの利点もある。

「投資に比べて売買のスパンが短いので、失敗を挽回し、利益を上げるチャンスが、年に何度もあります」(窪田氏の著書『株の学校』より)

言い換えれば、ある程度の負けを前提として平常心を保ち、虎視眈々とチャンスを狙う「精神力」がトレーダーには不可欠と言えそうだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国こそが「真の脅威」、台湾が中国外相のミュンヘン

ワールド

米中「デカップリング論」に警鐘、中国外相がミュンヘ

ビジネス

ウォルマート決算や経済指標に注目、「AIの負の影響

ワールド

ドバイ港湾DPワールドのトップ辞任、「エプスタイン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 8
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 9
    【インタビュー】「4回転の神」イリヤ・マリニンが語…
  • 10
    機内の通路を這い回る男性客...閉ざされた空間での「…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中