株式投資で「必ずやらなければいけない」本当に大切なこと
まず、100株すべてを900円で売却したら、手元に9万円が残ります。では、そのお金を別の株の投資にあててみましょう。例えば、株価900円のM社株を100株購入します。その株が10%上昇すれば、資金は9.9万円になります。元の10万円に近いところまで資金を戻せました。
一方で、株価が500円になるまで売る決心をできなかった場合はどうでしょうか。
ようやく500円で売却して残ったお金は5万円。元の10万円まで戻すには、株価が2倍になる株を見つける必要がありますが、それが至難の業であることは言うまでもないでしょう。それよりも10%上昇する株を探すほうが、ハードルはぐんと下がります(決して「簡単」とは言いませんが)。
絶対に損しないたったひとつの方法
要するに、ぐずぐず悩んでいるよりも、損になったら素早く損切りするほうが、気持ちの上でも、お金の上でも、ダメージが最小限ですむ、ということです。
ところが、頭ではわかっていても、なかなかそれを実行できないのが人間というもの。今の仕事をこのまま続けていても先は見えない......、ダメな相手とこのまま付き合っても望む未来は待っていない......。わかってはいるけれど、行動できないまま日々が過ぎてしまう。日常ではよくある風景です。
しかし、株式投資では「よくある」で済ませてはいけません。損切りできずにいることは、ただ損を大きくするだけでなく、利益を得る大切なチャンスを自ら失っていることなのです。
そこで、人はなかなか損切りできない生き物だと認めた上で、絶対に損切りできる方法を取ることが必要になりますが、実は、それはさほど難しいことではありません。機械的に損切りする仕組みを作ってしまえばいいのです。
例えば、「買った価格から10%下がったら損切りする」もしくは「〇万円損したら損切りをする」というように損切りラインを決めるのです。自らルール化することで、感情に流されず、機械的に、粛々と、損切りを行うことができるようになり、塩漬け株を増やすこともなくなります。
ここで重要なのは、投資する前に損切りライン決めてしまうことです。買った後で株価の動きを見ながら決めるのでは、ズルズルと損切りラインが下がってしまうのが目に見えています。
ルールを作っても自分は守れそうにない......という人には、さらにルールを徹底化するための便利な方法があります。株を購入した時点で「〇〇円以下になったら売却する」という売り注文を同時に入れておくのです。これは「逆指値注文」と言い、文字どおり、ルールを機械的に実行してくれます。