最新記事

株の基礎知識

コロナで高値更新の意外な3銘柄 買うべきか、買わざるべきか?

2020年7月9日(木)06時45分
佐々木達也 ※株の窓口より転載

Thomas Faull-iStock.

<株式市場を襲ったコロナショックもひとまずは落ち着いた。まだ余談を許さないが、この状況下で高値を更新した銘柄もある>

梅雨空の下、高値更新する銘柄が続々

株式市場を襲ったコロナショックもひとまずは落ち着きを見せ、日経平均株価は22,000円台を回復しました。まだまだ余談を許さない状況ではありますが、世界的な経済活動再開への期待と、国内でも緊急事態宣言が解除されたことを受けて日本株への買いが続き、さまざまな銘柄が高値を更新しました。

■そもそも「高値更新」とは?

まずは「高値更新」についておさらいしておきましょう。

相場解説などで頻繁に使われる高値更新とは、読んで字のごとく、ある期間内の高値を更新したという意味です。ここに「昨年来」「年初来」「上場来」など期間を表す言葉が添えられて、「年初来高値を更新」などと言われます。また、新たについた高値を「新高値」と呼びます。

●「昨年来」「年初来」「上場来」

「昨年来」と「年初来」は性質が似ているのですが、時期によって使い分けられます。「昨年来」は1月から3月までに使われ、対象となる期間は前年の1月からその時点まで。例えば、2020年2月20日時点での「昨年来高値」とは、2019年1月1日以降2020年2月20日までにおける高値となります。

4月以降は「年初来」が使われます。「年初来」はその年の1月1日からその時点までに使われ、例えば2020年6月22日時点で「年初来高値」を更新したという場合なら、その対象期間は2020年1月1日以降ということです。

このように、昨年来、年初来での高値更新は最長約1年弱の期間での高値更新となるので、中期でのトレンドが上向きであることを意味しています。

それに対して、「上場来高値」はその銘柄が株式市場に上場して以来の高値ということになり、上場来高値を更新した場合には、現在の業績や株価が長期的な上昇トレンドにあると見ることができます。

■2020年6月に高値更新の意外な銘柄たち

コロナショックを受けて株式市場では「巣ごもり」「リモートワーク」「オンライン授業」「医療」といった需要に関連する銘柄に注目が集まりました。そして、6月に入り相場が息を吹き返したところで、さまざまな銘柄が高値を更新。なかでも「上場来高値」を更新した特徴的な銘柄を見てみましょう。

●キーエンス<6861>

工場の自動化などに使われるセンサーや制御機器を手掛けるキーエンス<6861>。売上高営業利益率は50%を超え、高収益かつ急成長を続ける企業として注目を集めています。

新型コロナウイルスの影響により、年初から他のFA(工場自動化)銘柄とともに株価は低迷していましたが、6月に入ると45,000円を超えて上場来高値を更新。その強さを見せつけています。景気回復への期待や、工場の自動化需要が盛り上がるのとともに、先行きへの期待が高まっています。

kabumado20200709covidstocks-chart1C.png

【関連記事】アフターコロナの景気はどうなる? 景気判断の経済指標をイチから解説

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中