AIに「誤解」の余地を与えるな:機械翻訳で高品質な英文を作成する9つのヒント
5. 自分だけの「辞書」を作る
翻訳エンジンに付随する単語帳機能などを利用して、よく使う表現や業界の専門用語を登録しておくと効率が上がる。また、用字・用語や表記を統一することで訳文のブレを減らせる。
6. いきなり全文を訳さない
日本語で作成したメールやプレゼン資料を丸ごと機械翻訳にかけるのはリスキーだ。日本語では自然に思えても、論理的な飛躍や矛盾が潜んでいたり、背景知識のない相手には説明が足りなかったりする場合も少なくない。
時間はかかっても、ある程度自力で英文を作成した上で、うまく書けない部分だけ機械の力を借りるほうが結局は近道になる場合も。
7. 「ポストエディット」は目的に応じて
100%の正確さよりもスピードが命の社内メールなのか、ミスが許されない社外向けの広報資料なのか。機械翻訳の出力結果に修正を加える「ポストエディット」に求められる厳密さは、文書の用途や目的に応じて変わる。
ただし、どんな場合もAIを信じ過ぎず、「どこかに間違いがあるはず」という視点を忘れずに。
8. 「逆翻訳」でミスを発見
ポストエディットの際に間違いをあぶり出す手軽な方法として推奨されるのが「逆翻訳」だ。これは表示された英文をもう一度機械翻訳にかけ、日本語に訳し戻してみるという方法。表示された日本語が原文の意味とほぼ合致していれば、英訳にも大きな間違いはないと判断できる。
逆翻訳のアイコンが付いているエンジンも多いが、最初に使ったのとは別のエンジンで逆翻訳を行うと、より間違いを発見しやすい。おかしな点が見つかった場合は、プレエディットの原則に立ち返って原文の日本語を修正しよう。
9. コストを惜しまない
自己チェックや逆翻訳が有効なのは「大意が合っていればOK」の場合だけ。社外に出す正式な文書などは専門家の最終チェックを受けるコストを惜しまないこと。AIに頼り過ぎて信頼を失ってしまっては、元も子もないのだから。
<2020年3月3日号「AI時代の英語学習」特集より>
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2020年3月3日号(2月26日発売)は「AI時代の英語学習」特集。自動翻訳(機械翻訳)はどこまで使えるのか? AI翻訳・通訳を使いこなすのに必要な英語力とは? ロッシェル・カップによる、AIも間違える「交渉英語」文例集も収録。