最新記事

キャリア

オフはとにかく休みたい、会話は仕事の話ばかり、という日本人

2018年3月20日(火)15時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

このような孤立や社会との断絶、人とのコミュニケーション不足は心身の健康を害する可能性を高め、ひいては社会的費用も上がってしまいます。日本人ビジネスパーソンのオフの問題はもはや単なる個人の問題ではなく、社会全体の問題でもあるのです。

◇ ◇ ◇

年、月、週、日のそれぞれに楽しみを入れる習慣

オフを考える際には、年、月、週、日のレベルで楽しみを入れることが重要です。人は楽しみがあるからこそ辛いことも頑張れるのです。集中と緩和をうまくバランスさせるためにも、年、月、週、日単位で楽しみを入れてください。

年単位では、1週間以上の海外旅行や長期休暇、数か月先のコンサートなどをまず考えます。オフに影響を与える長期の出張なども、可能であれば年計画で日程を確認しておきたいところです。

月単位で考えるのは、お正月、スキー、花見、ゴールデンウィーク、夏の海や山、帰省、紅葉狩り......など。日本は四季の楽しみが盛りだくさんであるだけでなく、月ごと、季節ごとに楽しみ方が違います。小さいお子さんがおられる場合は、「来月は運動会があるからその日は確保しておかないと」「文化祭の発表だけは見に行こう」など、お子さんの学校行事を事前に確認することも重要です。

そして週単位のオフ。週単位では、週に1日はオフ中心の日を作るように心がけましょう。私の場合、週末も仕事をしていることが頻繁にあります。自営業なので休みは特に決まっておらず、アポイントメントが入っていない時に休暇を入れています(余談ですが、自営業は「上司からのやらされ感」がないので週末に仕事をしていてもあまり苦痛ではありません。その分、自分で稼がないといつでも収入ゼロになりますが......)。このように休みが不定期な独立自営業者である私ですが、週に1日程度は仕事を入れない完全オフを作るようにしています。特に大きな予定のないオフの日には、映画や美術館に出かけたり、山の散策などをしています。

最後に1日ごとのオフです。1日の中にも必ずオフを入れてリフレッシュすることが大事です。朝に運動をしたり、仕事が多くて大変な時には強制的に10〜15分程度の休養を取るようにしています。

杏林大学名誉教授でNPO法人日本ブレインヘルス協会の古賀良彦氏によれば、「休んでくつろぐだけでは疲れは飛ばない。仕事と睡眠の間に楽しむ時間を持ち、仕事のことを一瞬忘れてリセットする」ことが大切だそうです(日経新聞2017年10月30日夕刊「『デジタルライフ疲労』を防ぐ」)。

短時間で費用もかからず1人でできることは、好きなドラマを見る、ワインを一杯飲む、楽器を演奏するなどいろいろあります。ご自身の楽しみをぜひとも取り入れてみてください。

◇ ◇ ◇

他に本書で提唱されているのは、「継続的に運動して脳を活性化する習慣」「自然の荘厳さに触れ謙虚になる習慣」「引退後も続けることを視野に入れて活動する習慣」など。オフの過ごし方が苦手な日本人に向けた、現状を打破する方法論だ。

※第3回:リーダー層も苦手......日本の英語力不足はもはや「国難」だ


『世界で通用する「地頭力」のつくり方
 ――自分をグローバル化する5+1の習慣』
 山中俊之
 CCCメディアハウス

【お知らせ】
ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮情勢から英国ロイヤルファミリーの話題まで
世界の動きをウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、与那国島ミサイル配備計画を批判 「あらゆる干

ワールド

NZ中銀が0.25%利下げ、景気認識改善 緩和終了

ワールド

中国、米国産大豆を大量購入 米中首脳会談後に=関係

ワールド

アングル:世界で進むレアアース供給計画、米は中国依
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中