最新記事

投資の基礎知識

ビットコインを買った真面目な税理士の末路

2017年10月5日(木)16時39分
川島寛貴 ※株の窓口より転載

pinglabel-iStock.

<投資未経験の人がビットコインに投資した。直感的に頭をよぎったのは「繰り返される金融業界のサイン」が点灯したのではないか、ということだ>

真面目で仕事に実直な税理士から相談を受けました。「ビットコインに投資しました! どうしたらいいですか?」。2017年9月8日(金)のことだったと思います。この「どうしたらいい?」という問いに対する答えは、ひとつ――「どうしたいのか?」です。

(参考記事)株初心者必読! 株式投資を始める前に考えたい5つのこと

繰り返されるサイン?

念のため、投資経験はあるのかを確認したところ、答えは「NO」でした。株式投資や為替(FX)、投資信託や外貨預金に至るまで「お金を消費以外に使ったことがまったくない」という状況でした。

つまり、彼にとって「人生で最初の投資」というわけです。記念すべき第一歩が、泣く子も黙るビットコイン。急上昇と急下降を繰り返し、まさに盛り上がりの真っ最中にあるビットコイン。

この真面目な税理士が、何をきっかけに投資をしようと思い、なぜその対象がビットコインになったのか。聞きたいことは山ほどありましたが、それよりも直感的に「繰り返される金融業界のサイン」が点灯したのではないか、という思いが私の頭をよぎりました。

と、その前に、簡単にビットコインの説明をしておきましょう。

ビットコインとは

ビットコインは、インターネット上でのみ流通する「仮想通貨」です。ブロックチェーン技術を用いて取引内容を台帳に記録していくため、これまでの通貨(ドルや円)と異なり、中央銀行が存在しない世界共通の通貨(になる可能性があるもの)がビットコインです。

その可能性と期待を大いに織り込みつつ、ビットコイン(仮想通貨)は空前のブームとなり、2017年に入ってから約5倍になるまで上昇を続けています。

kabumado171005-chart1.png

2017年の初めには、1ビットコインは日本円に対して約10万円の価値(価格)でした。そこからご覧のとおりの急上昇をした結果(よく見ると所々に急下降も交えながら)、8月には45万円超え(取引所によっては50万円近く)まで上昇しました。

そして、私が税理士から相談されたのが、チャートの右端のタイミング(9月8日)でした。

「繰り返される金融業界のサイン」について述べる前に、もう少しだけ脱線させてください。実はこのサインには、よく知られる伝説があるのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

FRB、一段の利下げ必要 ペースは緩やかに=シカゴ

ワールド

ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 売春疑惑で適性に

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中