ビットコインを買った真面目な税理士の末路
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<投資未経験の人がビットコインに投資した。直感的に頭をよぎったのは「繰り返される金融業界のサイン」が点灯したのではないか、ということだ>
真面目で仕事に実直な税理士から相談を受けました。「ビットコインに投資しました! どうしたらいいですか?」。2017年9月8日(金)のことだったと思います。この「どうしたらいい?」という問いに対する答えは、ひとつ――「どうしたいのか?」です。
(参考記事)株初心者必読! 株式投資を始める前に考えたい5つのこと
繰り返されるサイン?
念のため、投資経験はあるのかを確認したところ、答えは「NO」でした。株式投資や為替(FX)、投資信託や外貨預金に至るまで「お金を消費以外に使ったことがまったくない」という状況でした。
つまり、彼にとって「人生で最初の投資」というわけです。記念すべき第一歩が、泣く子も黙るビットコイン。急上昇と急下降を繰り返し、まさに盛り上がりの真っ最中にあるビットコイン。
この真面目な税理士が、何をきっかけに投資をしようと思い、なぜその対象がビットコインになったのか。聞きたいことは山ほどありましたが、それよりも直感的に「繰り返される金融業界のサイン」が点灯したのではないか、という思いが私の頭をよぎりました。
と、その前に、簡単にビットコインの説明をしておきましょう。
ビットコインとは
ビットコインは、インターネット上でのみ流通する「仮想通貨」です。ブロックチェーン技術を用いて取引内容を台帳に記録していくため、これまでの通貨(ドルや円)と異なり、中央銀行が存在しない世界共通の通貨(になる可能性があるもの)がビットコインです。
その可能性と期待を大いに織り込みつつ、ビットコイン(仮想通貨)は空前のブームとなり、2017年に入ってから約5倍になるまで上昇を続けています。
2017年の初めには、1ビットコインは日本円に対して約10万円の価値(価格)でした。そこからご覧のとおりの急上昇をした結果(よく見ると所々に急下降も交えながら)、8月には45万円超え(取引所によっては50万円近く)まで上昇しました。
そして、私が税理士から相談されたのが、チャートの右端のタイミング(9月8日)でした。
「繰り返される金融業界のサイン」について述べる前に、もう少しだけ脱線させてください。実はこのサインには、よく知られる伝説があるのです。