SDGs取り組み企業が54.5%で最高記録、中小企業は対応に苦戦 帝国データバンク調査
大企業の71.8%がSDGsに積極的、中小企業との差が明確に Jaison Lin-Unsplash
<帝国データバンクの調査で、企業のSDGs取り組み率が54.5%に達し過去最高を記録する一方、中小企業は対応に苦戦していることが明らかになった>
帝国データバンクが2024年6月に実施した企業のSDGsに対する見解調査によると、「SDGsに積極的」である企業は54.5%に達し、過去最高を記録した。しかし、その上昇幅は前年と同様に鈍化している。
加えて、多くの企業が人材確保や取引先との関係強化を目的にSDGsに取り組んでいる一方で、33.5%の企業はSDGsの重要性を理解しながらも実際の取り組みに至っておらず、7.4%の企業は「言葉は知っているが意味もしくは重要性を理解できない」と回答している。
大企業と中小企業のSDGs差明確
企業規模別のデータでは、大企業の71.8%がSDGsに積極的であるのに対し、中小企業は51.2%、小規模企業は42.9%と、規模が小さくなるほどSDGsへの積極的な取り組みが低くなる傾向が見られる。現在力を入れている項目としては「働きがいも経済成長も」が34.0%でトップとなっており、今後最も力を入れたい項目も同様に「働きがいも経済成長も」が11.8%でトップである。
最大効果は企業イメージ向上
SDGsへの取り組みの効果としては、企業イメージの向上が39.8%でトップ、従業員のモチベーション向上が32.9%と続いている。また、4社に1社がDEI(多様性、公平性、包摂性)への取り組みに積極的であることも明らかになった。
調査に協力した中小企業からは「重要性は理解しているが、今の経済環境において中小企業には荷が重すぎる」「考え方について共感できるが、人手や資金などの観点から取り組むことが難しい」「中小零細企業がいかに取り組めばよいのかが分からない」「中小零細企業では具体的な取り組み方を策定するのが難しい。また、それほどの効果は得られないと考える」などの声も挙がっている。
今後、SDGsに取り組むことが企業間の取引条件や商品の購入、入社動機にも影響を与える可能性が高まるため、対応が難しい企業への支援強化が求められる。
この調査は2024年6月17日から30日にかけて実施され、全国の2万7159社を対象とした。有効回答企業数は1万1068社で、回答率は40.8%だった。なお、SDGsに関する調査は2020年から毎年実施されており、今回で5回目となる。
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