「仕事が忙しい」と言い訳する人は成長しない...朝日新聞記者の〈遊び〉も両立する技術【時間管理】
〈遊び〉をやめないためには、〈遊び〉時間を最初に確保する
肝要なのは、遊ぶ時間を先に作る、ということです。毎日、わたしはライブに行く。だから、夜は仕事を入れない。夜回り取材があるんだったら、朝駆け取材に変えてしまう。あるいは原稿書きがあるんだったら、終電で帰宅したあと、書け。
若かったからできたし、子育てしながら働いているライターとかには、たしかに厳しいことだとは思う。でも、子育て家庭だけじゃないですよ。人生なんて、みんなそれぞれ個別に厳しいんです。老親の介護にしても、家族の病気にしても、自分の貧しさにしても、みんな、なにかを抱えている。言い訳すんな。自分に言ってます。
まず先に遊びの時間を決める。そして残った時間で、仕事をする。家事をする。工夫して、時間短縮して、システマティックに、考え抜く。第一夜話で書いた、『モンテ・クリスト伯』の、例の牢獄じいさんと同じです。
1日の〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉のバランスとは
そして勉強は、合い間でするんです。仕事と仕事の合い間の休憩時間。通勤時間。風呂。食事。そのほんの一瞬のすきまに、勉強をする。
すきま時間の十五分を積み重ねて勉強する。その具体的な方法論は、前著の『百冊で耕す』にも書きました。どんな人間でも、すきま時間はある。それを、かき集める。一日に二時間くらいは、ひねり出せるもんです。
・ 遊びの時間を最初に作る
・ 残りの時間で仕事をする
・ すきま時間で勉強する
こういう生活スタイルになったのは、わたしがニューヨークにいるころからです。特派員にさせてもらって、仕事はむちゃくちゃしていました。出稿量で前任者の二倍出すことを目標にしていました。任期が終わって数えてみると、三倍書いていました。
でも、こんなのはあたりまえです。カネもらってるんだから。いばるな。
ニューヨークでは、仕事もおもしろかったんだけど、なにしろ〈遊び〉が発狂一直線におもしろかった。音楽も映画も演劇もアートも、見るもの、聴くもの、すべてが刺激的。東京もいいけれど、やはりニューヨークが、なにしろ世界のメトロポリスだなと痛感しました。