300社以上を見たVC語る 「成長する経営者は無茶ぶりに感謝している」
■3)無茶ぶりや苦言に感謝する
お客さまからの意見は、期待の大きさの表れであり、大きな期待に応えてこそ、さらに大きな信頼を獲得することができます。無茶ぶりや短い締め切りは喜んで受け入れていきましょう。
会社に関する問題点を指摘する社員は、忠誠心の高い社員です。給料だけ貰えればいいと思っている社員はイエスマンを貫き、波風を立てません。本当に会社のことを考えている人がどこにいるのかを知っていれば、経営者は正確で明解な意思決定が行えます。
■4)必ず会社を成長させる意志を持つ
成長途上にある会社の経営者は、耳の痛い話こそ大切にする必要があります。赤字の状態で心地よさを求めていては、資金は減っていくばかりです。居心地の悪さと決別したければ、早期に黒字を達成し会社を成長軌道に乗せていくことです。
苦しい時期をしっかりと乗り越えていけば、旺盛な生命力が育まれ、長続きする安定した経営が可能になります。居心地の悪さは、成長へのプロセスとして楽しみましょう。
成長に指定席はなく、自由席車両でいかに生きていくかが成否を分けることになります。
悩んだときの対処法とは
悩んだときには、経営者の仲間や、頼りにしているコンサルタントなどの相談先など、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。気持ちを落ち着け、運を引き寄せるために神社仏閣に行くことや、初心に戻り、親と話すことも有効です。
相談する際は、答えをもらおうとするのではなく、「自ら気づくこと」が重要です。対話から学び取り、気づきを行動へ移しましょう。
まとめ
ドラッカーも「意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ない時には決定を行わないことである」といっています。誰も反対しないような意見は、会社を好転させるようなものではないのです。
柔よく剛を制す世の中で勝ち残り、成功するためにも、厳しい時期を乗り越えた先に「本当の進化」があることを認識し、日々邁進していきましょう。
(参考記事)組織成長の秘訣は「人がたまれる場所」?急成長ベンチャー企業primeNumber代表取締役CEO・田邊 雄樹氏にインタビュー
[執筆者]
辻 俊彦
ベンチャーキャピタリスト。2,000社以上のベンチャー企業を観て、200社以上の成長支援を実践。実際の現場に入り、会議のレベルを上げることで、企業成長・業績改善を実現してきた。過去の支援先としては、アイティメディア(東証プライム)やメディアファイブ(QBoard)がある。著書「愚直に積め!」(東洋経済新報社、2008年刊)