最新記事
経営

300社以上を見たVC語る 「成長する経営者は無茶ぶりに感謝している」

2023年10月6日(金)11時55分
辻 俊彦 ※経営ノウハウの泉より転載

■3)無茶ぶりや苦言に感謝する

お客さまからの意見は、期待の大きさの表れであり、大きな期待に応えてこそ、さらに大きな信頼を獲得することができます。無茶ぶりや短い締め切りは喜んで受け入れていきましょう。

会社に関する問題点を指摘する社員は、忠誠心の高い社員です。給料だけ貰えればいいと思っている社員はイエスマンを貫き、波風を立てません。本当に会社のことを考えている人がどこにいるのかを知っていれば、経営者は正確で明解な意思決定が行えます。

■4)必ず会社を成長させる意志を持つ

成長途上にある会社の経営者は、耳の痛い話こそ大切にする必要があります。赤字の状態で心地よさを求めていては、資金は減っていくばかりです。居心地の悪さと決別したければ、早期に黒字を達成し会社を成長軌道に乗せていくことです。

苦しい時期をしっかりと乗り越えていけば、旺盛な生命力が育まれ、長続きする安定した経営が可能になります。居心地の悪さは、成長へのプロセスとして楽しみましょう。

成長に指定席はなく、自由席車両でいかに生きていくかが成否を分けることになります。

悩んだときの対処法とは

悩んだときには、経営者の仲間や、頼りにしているコンサルタントなどの相談先など、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。気持ちを落ち着け、運を引き寄せるために神社仏閣に行くことや、初心に戻り、親と話すことも有効です。

相談する際は、答えをもらおうとするのではなく、「自ら気づくこと」が重要です。対話から学び取り、気づきを行動へ移しましょう。

まとめ

ドラッカーも「意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ない時には決定を行わないことである」といっています。誰も反対しないような意見は、会社を好転させるようなものではないのです。

柔よく剛を制す世の中で勝ち残り、成功するためにも、厳しい時期を乗り越えた先に「本当の進化」があることを認識し、日々邁進していきましょう。

(参考記事)組織成長の秘訣は「人がたまれる場所」?急成長ベンチャー企業primeNumber代表取締役CEO・田邊 雄樹氏にインタビュー

[執筆者]
辻 俊彦
ベンチャーキャピタリスト。2,000社以上のベンチャー企業を観て、200社以上の成長支援を実践。実際の現場に入り、会議のレベルを上げることで、企業成長・業績改善を実現してきた。過去の支援先としては、アイティメディア(東証プライム)やメディアファイブ(QBoard)がある。著書「愚直に積め!」(東洋経済新報社、2008年刊)

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
keieiknowhow_logo200.jpg

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中