最新記事
仕事術

「論理的で気難しい上司」には数字で説得する...自然に「目標を数値化」する東大生式コミュニケーション術とは?

2023年7月27日(木)13時37分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

そうしたことを明確に示せるよう、数字を意識してみましよう。

東大生は、目標を数値的に設定することを好みます。「数学を頑張ろう」ではなく「数学のこの問題集を20ページ終わらせよう」のように、数字で目標設定をし、努力を明確化しています。

複数の人で集まって会議をするときでも目標は数字で設定します。数字で物事を考えると具体的に考えられるようになり、多くの人にわかりやすくなるわけです。

数字というのは、周りの人を納得させることにもつながります。

たとえば、「最近ストレスが溜まっているので今日は早く帰ります」と言ったら、周りからは「今忙しい時期なのに......」「私だってストレスが溜まっているから早く帰りたいのに」といった反感を買いかねません。

しかし、「最近ストレスからか血圧が180を超えてきたので、今日は早く帰ります」と言うと、きっと多くの人は、「それは大変、お大事になさってください」と言ってくれることでしよう。

また、具体的な数字を示しておけば、仮に上司が他の人から「本当にあの人は体調が悪いのか」と聞かれたときに、上司も数字を示してきちんと説明することができます。

ですから、目上の人の仕事を助けてあげるつもりで、数字が出せる用意をしてみるというのもいいと思います。

平成27年には労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度がスタートし、50人以上の事業場にはストレスチェックが義務化されました。

ストレスチェック制度とは、「定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的としたものです」 (厚生労働省ウエプサイトより引用)。

このように、企業でもストレスを数値で測ることで、ストレスの程度をわかりやすくする動きがあります。

もし自分の苦労や大変さを、上司に伝えたくても明確な数字が思いつかない場合は、このようなストレスチェックの数字を活用するのもいいかもしれません。


東大カルペ・ディエム(トウダイカルペディエム)
2020年6月、西岡壱誠を代表として株式会社カルペ・ディエムを設立。西岡を中心に、家庭の事情で週3日バイトしながら合格した人や地方公立高校で東大模試1位になった人など、多くの「逆転合格」を果たした現役東大生が集い、日々教育業界の革新のために活動中。毎年200人以上の東大生を調査し、多くの画期的な勉強法を生み出している。そのほか「アカデミックマインド育成講座」と題した教育プログラムを中心に、全国20校以上でワークショップや講演会を実施。年間1000人以上の学生に勉強法を教えている。

西岡 壱誠(ニシオカイッセイ)
1996年生まれ。偏差値35から東大を目ざすも、現役・1浪と2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した勉強法により、偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、在学中の2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立、代表に就任。全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。テレビ番組「100%!アピールちゃん」(TBS系)では、タレントの小倉優子氏の大学受験をサポート。また、YouTubeチャンネル「ドラゴン桜【公式チャンネル】」を運営し、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。著書『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(すべて東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部突破のベストセラー。



  『会話を科学する! 最短のラリーで誰とでもうまくいく 東大式コミュニケーション
  東大カルペ・ディエム[著] 西岡壱誠 [監]
  主婦の友社[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

 
 
 
 

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中