「論理的で気難しい上司」には数字で説得する...自然に「目標を数値化」する東大生式コミュニケーション術とは?
そうしたことを明確に示せるよう、数字を意識してみましよう。
東大生は、目標を数値的に設定することを好みます。「数学を頑張ろう」ではなく「数学のこの問題集を20ページ終わらせよう」のように、数字で目標設定をし、努力を明確化しています。
複数の人で集まって会議をするときでも目標は数字で設定します。数字で物事を考えると具体的に考えられるようになり、多くの人にわかりやすくなるわけです。
数字というのは、周りの人を納得させることにもつながります。
たとえば、「最近ストレスが溜まっているので今日は早く帰ります」と言ったら、周りからは「今忙しい時期なのに......」「私だってストレスが溜まっているから早く帰りたいのに」といった反感を買いかねません。
しかし、「最近ストレスからか血圧が180を超えてきたので、今日は早く帰ります」と言うと、きっと多くの人は、「それは大変、お大事になさってください」と言ってくれることでしよう。
また、具体的な数字を示しておけば、仮に上司が他の人から「本当にあの人は体調が悪いのか」と聞かれたときに、上司も数字を示してきちんと説明することができます。
ですから、目上の人の仕事を助けてあげるつもりで、数字が出せる用意をしてみるというのもいいと思います。
平成27年には労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度がスタートし、50人以上の事業場にはストレスチェックが義務化されました。
ストレスチェック制度とは、「定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的としたものです」 (厚生労働省ウエプサイトより引用)。
このように、企業でもストレスを数値で測ることで、ストレスの程度をわかりやすくする動きがあります。
もし自分の苦労や大変さを、上司に伝えたくても明確な数字が思いつかない場合は、このようなストレスチェックの数字を活用するのもいいかもしれません。
東大カルペ・ディエム(トウダイカルペディエム)
2020年6月、西岡壱誠を代表として株式会社カルペ・ディエムを設立。西岡を中心に、家庭の事情で週3日バイトしながら合格した人や地方公立高校で東大模試1位になった人など、多くの「逆転合格」を果たした現役東大生が集い、日々教育業界の革新のために活動中。毎年200人以上の東大生を調査し、多くの画期的な勉強法を生み出している。そのほか「アカデミックマインド育成講座」と題した教育プログラムを中心に、全国20校以上でワークショップや講演会を実施。年間1000人以上の学生に勉強法を教えている。
西岡 壱誠(ニシオカイッセイ)
1996年生まれ。偏差値35から東大を目ざすも、現役・1浪と2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した勉強法により、偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、在学中の2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立、代表に就任。全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。テレビ番組「100%!アピールちゃん」(TBS系)では、タレントの小倉優子氏の大学受験をサポート。また、YouTubeチャンネル「ドラゴン桜【公式チャンネル】」を運営し、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。著書『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(すべて東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部突破のベストセラー。
『会話を科学する! 最短のラリーで誰とでもうまくいく 東大式コミュニケーション』
東大カルペ・ディエム[著] 西岡壱誠 [監]
主婦の友社[刊]
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