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「世の中に良いことをしたい」と語る学生を必ず落とす役員の『納得の言い分』とは

2022年3月28日(月)16時35分
勝浦雅彦(電通 コピーライター・クリエーティブディレクター) *PRESIDENT Onlineからの転載
面接担当の役員のイメージ

面接で「世の中に良いことをしたい」と語る学生を必ず落とす役員の意図するものとは? *写真はイメージです kazuma seki - iStockphoto


2023年3月に卒業する大学生の就活が本格化している。内定を勝ち取る鍵のひとつが志望動機だ。これまで2000人以上に就活指導をした電通のコピーライター・勝浦雅彦さんは「お金の話を避ける人がいますが、これから企業人になるのですから稼ぐことを意識しなければなりません」という――。

※本稿は、勝浦雅彦『つながるための言葉 「伝わらない」は当たり前』(光文社)の一部を再編集したものです。

「内定が出る志望動機・自己PR文」はOBOG訪問でわかる

企業研究・OB訪問について
学生が本気で企業を研究してもなかなか業界の真実などわかり得ないのが実情だと思います。企業もまだ部外者のあなたに、「財務諸表に出てこない経営の実態」とか「あの部長とあの部下はただならぬ関係だ」などの実態は隠すでしょうし、そもそも給料をもらって働いたことがないのだから、実感できないのは当たり前です。いちばん良くないのは、聞きかじった知識をひけらかすことです。そこで、企業についてより詳しく知るめに、OB訪問が重要になります。

私は学生の時に30人くらいOB訪問をしました。時間に余裕があったので、3年生の夏くらいから訪問を始めて、行きたい業界はもちろん、興味のある業界のOBに片っ端から会いに行きました。

ある人には遅刻を怒られ(すいませんでした)、ある人には高級ステーキを奢られ(ご馳走様でした)、ある人とはお昼から始まったOB訪問が夜のBARまでもつれ込んだこともありました(今やったら完全にNGですね)。その中で、必死に自己PRと志望動機を書いては直し、見てもらい続けました。

そしてある日、出版社のOGが私の書いた自己PRにしげしげと目を通し、「うん、あなたはマスコミならどこかは受かるから大丈夫」と言ってくれました。それ以降、どこに訪問しても同じようなことを言われるようになります。きっと、そこには暗黙のボーダーラインが存在し、「この子は越えているな」と判断されたのでしょう。そして、のちに面接官経験のある同僚や後輩と話しても「それは存在する」とみな口を揃えました。合格する子は、わかる、と。

OB訪問では、


①社会人に対する礼儀
②社会人に短時間で自分を伝える練習
③仕事の実際
④その後の人脈

を学び、得ることができます。

「行きたい会社にOBがいない」人でもOB訪問を実現する方法

①は、本業を持つ忙しい社会人へのアポ取りや、訪問スケジュールの調整など、実社会に出た時に役に立ちます。

主たる目的である②は、短時間でいかに自分を理解させ印象に残すか、を実践する場だと捉えてください。

たまに③の「OBの仕事の実際」を聞くだけの姿勢の学生がいますが、それははっきり言って時間のムダです。そのOBの名前と仕事内容くらいはざっくり調べていくのは当たり前だとして、「茅ヶ崎に住んで毎朝、サーフィンで海に入ってから会社に来るんだよ。愛車はアメ車の......」といったプライベートや趣味の話を聞いても役には立ちません。時間のロスです。

そこは、あなた自身の考えをぶつける場です。受け身で行かないでください。おそらくOB訪問でもらえる時間は1時間程度でしょう。

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