米GMと韓国LG、相次ぐEVバッテリー発火事故で「仮面夫婦」の声
米自動車大手、ゼネラル・モーターズ(GM)と韓国の複合企業LGは長年にわたり、手を携えて電気自動車(EV)の開発に取り組んできた。写真はミシガン州レイク・オリオンにあるGMの工場で、部分的に組み立てられたEV「シボレー・ボルト」。2018年3月撮影(2021年 ロイター/Rebecca Cook)
米自動車大手、ゼネラル・モーターズ(GM)と韓国の複合企業LGは長年にわたり、手を携えて電気自動車(EV)の開発に取り組んできた。しかし、GMのEV「シボレー・ボルト」に搭載したLG傘下企業のバッテリーで発火事故が立て続けに発生し、GMが大規模なリコール(無償の回収・修理)を余儀なくされたことで、両社の「蜜月」は大きく揺らいでいる。
GMのポール・ジェイコブソン最高財務責任者(CFO)は10日の投資家向け説明会で、LGのバッテリー工場の製造工程における問題を解決し、GMの品質基準を部分的に導入すべく、GMの技術者がLGに協力していると明かした。
GMはLG傘下のバッテリー大手、LGエネルギーソリューション(LGES)の韓国と米ミシガン州にある工場が、ボルトの連続バッテリー発火事故の原因になっていると特定した。GMは一連の事故をきっかけに3件のリコールを実施し、関連費用は18億ドルに上る。機器の修理はまだ、行われていない。
LGESと同社の関連会社LG電子は10日、GMとの「密接な関係」を強調。ボルトのバッテリー不具合の問題解決に向けて最終的なリコール計画を策定すべく積極的に協力していると説明した。ボルトは2016年末以来の製造台数の累計が、14万台余りに達している。
GMの広報担当は9日に「GMとLGの専門家は、この問題に24時間体制で当たっている」と述べ、LGが正常なバッテリーを供給できると確信でき次第、できるだけ速く修理を開始すると説明した。
GMによると、初期モデルのボルトはバッテリーパックを全て交換し、後期モデルは不具合のあるモジュールのみを交換する。ただ、新たな部品が手に入るのは、今年11月以降になるかもしれない。
浮上する負担増のリスク
一方、ソーシャルメディア上ではボルトのオーナーやEVの購入を検討している顧客がGMとLGに不満や懸念をぶつけており、両社がバッテリー発火事故で、どれほどのダメージを受けるのか見通しが立たない状態だ。