最新記事

ネット通販

アマゾン、巣ごもり需要一段で売上高の減速予想 ジャシー新CEO体制に試練

2021年7月30日(金)09時45分
アマゾンの配送段ボール

米アマゾン・ドット・コムが29日示した第3・四半期の売上高見通しが市場予想を下回った(2021年 ロイター/Mike Segar)

米アマゾン・ドット・コムは29日、売上高の伸びが今後数四半期にわたって鈍化するという見通しを示した。新型コロナウイルス禍で急拡大していたインターネット通販利用が一服しつつあることが背景。

同社は今月、最高経営責任者(CEO)が前任のジェフ・ベゾス氏からアンディ・ジャシー氏に交代したばかりで、ジャシー氏は難しい経営の舵取りを迫られそうだ。

売上高の伸び率は第2・四半期に27%と、前期の44%から鈍化。第3・四半期は最大でも16%にとどまるとの見通しを示した。有料プライム会員からの収入が減速しているという。引け後の時間外取引でアマゾンの株価は7%下落した。

第3・四半期の売上高見通しは1060億─1120億ドル(10─16%増)と、リフィニティブのまとめたアナリスト予想の1189億ドルに届かなかった。

アマゾンのブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は増収率の鈍化見通しについて、昨年は消費者が家で長い時間を過ごし、日々必要な買い物もネットで済ませていたが、欧米では現在、外出する人が増え、人々は「買い物以外のこともするようになった」と指摘。売上高の伸び鈍化は数四半期続く見込みだと述べた。

第2・四半期決算は、純売上高が1130億8000万ドルと、前年同期の889億1000万ドルから増加したものの、市場予想の1152億ドルを下回った。北米の伸びは22%と、前年同期の43%から半分近くに鈍化した。

一方、クラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上高は37%増の148億ドルで、予想の141億ドルを上回った。

利益は48%増の78億ドルと、過去2番目の大きさとなった。今第3・四半期の営業利益は25億─60億ドルを見込む。コロナ関連費用が10億ドルになるとの前提を置いている。

エドワード・ジョーンズのアナリスト、ブライアン・ヤーブロー氏はアマゾンが急成長を維持するのは「現実的ではない」と分析。「ネット通販の伸び率は10─12%のレンジに減速するだろう。事業の規模の大きさを考えれば、依然として驚異的な伸び率だ」とした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

欧州の銀行、前例のないリスクに備えを ECB警告

ビジネス

ブラジル、仮想通貨の国際決済に課税検討=関係筋

ビジネス

投資家がリスク選好強める、現金は「売りシグナル」点

ビジネス

AIブーム、崩壊ならどの企業にも影響=米アルファベ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 10
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中