アメリカでビットコインの未来を決める判断が間もなく下される──スケジュールと見通し
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<今後のビットコイン相場を大きく左右する要因として注目される、アメリカでのビットコインETFの可否判断。記事前半ではETFとは何か、なぜビットコインにとって重要なのかを解説した。後半では米当局による判断のスケジュールと、見通しについて見ていく>
記事前半:ビットコイン相場を揺るがす米ETFの行方 承認なら「マスク砲」並みのインパクトが
今年SEC承認はあるのか?
2021年の第1四半期はテスラ砲やNFTブームの影に隠れてあまり注目されませんでしたが、実は、2月と3月に立て続けに北米と南米で初めてビットコインETFが承認されました。
2021年 北米と南米で承認されたビットコインETF
問題は米国のSECがビットコインETFを承認するかどうかです。日本の金融機関のETF担当者からは、「SECがビットコインETFを承認すれば、日本の金融機関も当局も真剣に検討を始めるのではないか」という話も聞きます。確かにカナダとブラジルの当局による承認は大きな一歩ですが、アメリカ当局によるお墨付きは次元が違うのです。
では今回、SECはビットコインETFを承認するのでしょうか?
記事前半で述べたとおり、SECに申請されているビットコインETFは8つあり、そのうちの2つで審査がスタートしています。1つ目は、米資産マネジメントVanEckが申請したビットコインETFで、SECは3月15日に45日間の審査プロセスをスタートさせました。
同期間中で、SECは申請の承認、却下、審査期間の延長のいずれかの仮決定を行います。つまり、今月中にもSECが上記のうち何らかの判断が出すと見込まれます。もし、延長をする場合でも、最大240日間までと決まっているため、泣いても笑っても11月中頃には最終的な判断がSECによって下されることになります。
SECが過去にビットコインETFを拒否した際に挙げた主な理由は、1934年証券取引所法のとりわけ6条(b)項5が規定する「証券取引所は詐欺や価格操作を妨げるように作られなければならない」という部分と「投資家と公共の利益を保護する」という部分です。
ビットコインETFについてSECは、上記の箇所に関して、コモディティ系のETFが2000年代に登場した時よりも厳しく解釈したと言われています。