ESG、SDGsも関連して盛り上がる「脱炭素」 アナリストに聞いた注目銘柄
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<「バイデン銘柄」の株価は上昇。日本でも注目度が高まっている>
(※1月5日発売の本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より。編集部注:一部の情報は2020年12月末時点のものです)
欧州を皮切りに、多くの国で「国策」となった感のある脱炭素の動き。日本でも菅義偉首相が2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを明言するなど、もはや世界の常識とも言えるだろう。
そして、その象徴的な流れを示しているのがアメリカだ。ジョー・バイデン米大統領は温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定への復帰を含め、前任者の方針を180度転換する公約を掲げている。
「今後10年というバイデン政権の成長アジェンダが、脱炭素であり環境対応施策。いち早くジョン・ケリー元国務長官を気候変動問題担当の大統領特使に指名したのも象徴的な人事だった」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の新井洋子チーフ・グローバル投資ストラテジストは言う。ケリーは、オバマ政権でパリ協定締結に尽力した人物だ。
「世界の脱炭素化をリードする」とも宣言するバイデンだが、その公約実現のため、就任から4年間で2兆ドルに上る巨額投資プランを打ち出している。
米市場もその流れは既に織り込み済み。「太陽光発電などのクリーンエネルギー関連に代表される『バイデン銘柄』として、2019年あたりから高く買われている」と、マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは話す。
太陽光発電事業者のサンランやサンパワーなど、「バイデン銘柄」の米国企業は株価が高止まりの状況が続く。
日本でも脱炭素が国策となり、注目度が高まっていくのは間違いない。レノバやウエストホールディングスといった、再生可能エネルギーを手掛けるベンチャー企業の株価も大きく上昇している。
このほか、「一気に脱炭素に振り切るのが難しいこともあり、(電力会社の)Jパワー(電源開発)のように、石炭を使いながら火力発電の環境負荷を低減する技術を持つ企業も注目だ」(広木氏)という。
また、ここ数年で急激に関心が高まっているESG(環境・社会・企業統治)投資の観点からも「脱炭素シフト」は加速していきそうだ。