最新記事

感染症対策

日本企業のテレワーク実施9割に 6割が効率化に有効と評価

2020年5月21日(木)10時27分

5月ロイター企業調査で、新型コロナウイルスへの対応としてテレワークの導入した企業は、調査対象企業の9割に上ったことが分かった。実施してみて業務効率化に有効だとした企業は、62%に上り、うち「かなり有効」との回答は5%だった。都内で14日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

5月ロイター企業調査で、新型コロナウイルスへの対応としてテレワークの導入した企業は、調査対象企業の9割に上ったことが分かった。実施してみて業務効率化に有効だとした企業は、62%に上り、うち「かなり有効」との回答は5%だった。

調査は4月28日から5月15日までの期間に実施、資本金10億円以上を対象に499社に調査票を発送、回答社数は230社程度だった。

一部の社員でもテレワークを実施したか聞いたところ、まったく実施していないとの回答は9%だった。自動車や小売、運輸・ユーティリティーでは全く実施せずとの回答が2―3割に上り、相対的に多かった。

「週に1―2日実施した社員が多い」との回答は26%、「週に3―5日の社員が多い」は65%。

テレワークが業務効率化に有効と評価をした企業では「不要・不急な業務があぶりだされた」(精密機器)との声や、「往復の通勤時間と無駄な問い合わせがなくなり、業務への集中とともにプライベートの時間も増えた」(サービス)などのメリットを挙げている。

多くの企業が「コロナ終息後は、働き方改革が劇的に進むのではないか」(ゴム)との見方や、「テレワークへの業務移行がコロナ対応により本格化した」(化学)など今後も継続・拡大を期待する声がある。

他方で、「あまり有効ではない」「全く有効でない」と回答した企業は合わせて38%ある。製造業では「石油・窯業」や「鉄鋼」、非製造業では「不動産」や「卸・小売」「運輸」が多かった。

「テレワークできる部門は少ない」(建設)、「テレワークになじまない現場部門の部署がある」(運輸)といった回答があり、現場中心の業種では有効性は低い。また、「システム環境の整理が必要」(ガラス・土石)など、テレワークに向けた環境整備が必要な企業もある。

(中川泉 編集:青山敦子)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・韓国クラスター発生の梨泰院、BTSメンバーら芸能人も 感染者追跡の陰で性的マイノリティへの差別も
・緊急事態宣言、31日前に解除も 21日に専門家から意見=菅官房長官
・コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当局の科学者「恐ろしい」
・第2次補正予算は13兆円前後か 一律現金給付第2弾は見送りも家賃支援に増額圧力


20200526issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月26日号(5月19日発売)は「コロナ特効薬を探せ」特集。世界で30万人の命を奪った新型コロナウイルス。この闘いを制する治療薬とワクチン開発の最前線をルポ。 PLUS レムデジビル、アビガン、カレトラ......コロナに効く既存薬は?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    日本では起こりえなかった「交渉の決裂」...言葉に宿…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中