最新記事
日本経済

膨れ上がる借金と人口減で「30年後、日本終了」のリアリティ

2019年11月27日(水)15時25分
ジム・ロジャーズ (投資家、ロジャーズホールディングス会長)/岡本 祥治 (みらいワークス社長) *東洋経済オンラインからの転載

岡本:現在の日本の法律は高齢者に有利なものが多いことが問題の1つかもしれません。例えば、日本のCEOは60歳以上が多いので、何かを変えなければと強く思っていないかもしれない。ですが、今後若い経営者や政治家が増えてれくれば、変化も起こしやすくなる。社会が変わるには30、40年かかるかもしれませんが......。それまで今の状態を維持することが必要だと思います。もちろん維持することも難しいとは思いますが。

ロジャーズ:それが今起こっていることです。日本は現状を「維持」しようとしている。ですが、あなたが10歳だったら私はあなたに日本から逃げるか、ライフルを用意しろ、と伝えます。生きているうちに大きな問題が起きるからです。

30年後には人口がぐんと減って、借金はものすごく増えている。どこかで暴動が起きてもおかしくない状況です。その頃には日本は今のような平和で落ち着いた、法を順守する人たちの国ではなくなっているでしょう。あなたはこれまでの人生でこの国における繁栄と平和、静寂と自由しか経験していないかもしれない。しかし、奇跡が起きない限り、これから30年後、いや、10年後には違う状況になっているはずです。

安倍首相は最近、新たに37万5000人の外国人労働者を受け入れると発表しました。これには私も驚き、素晴らしいことだと思った。しかし、人口1億2500万人の国で、今後5年間で37万5000人増えたとしても問題の解決にはほぼつながらない。ひょっとしたら外国人に対する恐怖感などを減らす一助にはなるかもしれませんが。

日本は85カ国旅した中でベスト

岡本:私はこれまで85カ国を旅しましたが、日本より素晴らしい国はないと感じています。食文化や街並み、祭り、歴史、四季のある気候、周りの人達を助けようという精神、列を作って順番を待つなど秩序を保つ姿勢、性善説に立って物事が進められる国民性も素晴らしいと思っています。

ロジャーズ:私も日本が素晴らしい国であるという点については同感です。しかし、あなたが1919年にイギリスを訪れたならば、こんな素晴らしい国は他にないと言っていたでしょう。その頃は確かに世界ナンバーワンの国でした。

しかし今は、トップ25にも入らない。今でもいい国には変わりない。しかし、イギリス人の暮らし向きは1919年から低迷し続けていて、1976年にはイギリスは破綻してしまった。1919年には圧倒的ナンバーワンの最も裕福な国が、57年後にはIMFに助けられることになったわけです。

ビートルズの時代はよかった。が、多くのイギリス人は低迷の時代しか知らない。その間、多くの人は国を後にしました。日本も同じことです。2039年の日本はどうなっているか。過去60年間の日本は本当に素晴らしかったし、今も素晴らしい。でも、私が心配しているのは60年後どうなっているかです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

国内外の市場の変化、高い緊張感もって注視=城内経済

ビジネス

世界の石油供給過剰予測、ひどく誇張されている=アラ

ワールド

独メルツ首相「欧州は米欧関係を拙速に見限るべきでな

ビジネス

ニデックをBa3に格下げ、見通しネガティブ=ムーデ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 9
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 10
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中