倒産する大学の4つの特徴:地方、小規模、名称変更、そして...
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<「大学大倒産」時代となっているが、つぶれる大学にはそれなりの理由と傾向がある。大学はなぜ、つぶれるのか(大学倒産・後編)>
※前編:忍び寄る「大学倒産」危機 2000年以降すでに14校が倒産している
大学がつぶれるにはそれなりの理由がある。大学「倒産」に至る理由には、(1)立地条件の悪さ、(2)受験生に対する市場調査の甘さ、(3)経営力の欠如、(4)「教育」と「研究」の質の低さなどがあげられる。ここで取り上げる大学は、大半がこのような課題を抱えているにもかかわらず、設置を認められ運営してきた。その結果が倒産である。
前回挙げた14校の大学はなぜ、「倒産」したのか。各大学の特徴を改めてよく見ると、いくつかの共通点が浮かび上がってくる。
まず気づくのは、設立からあまり年数が経っていない大学が多いということである。14大学のうち9大学が2000年以降の設立である。1999年設立の大学も2校ある。歴史が浅いということは、ブランドイメージが低いという言い方もできるだろう。
大学に限らず、ブランドイメージは長い年月をかけて創り上げられるものである。もっとも、2017年に閉学した東京女学館大学は、大学の設立こそ2002年だが、創設が明治期に遡る名門中学・高校のブランド力を背景に設立されており、ここに挙げた大学の全てのブランドイメージが低いわけではないことを申し添えておく。
ただ、大学運営と小・中・高の運営は基本的に異なることは留意しておく必要がある。大学は高等教育機関における最高学府としての「質」が確保されなければ、大学として存続させることはきわめて困難である。
また、ブランドイメージに関連する特徴として、大学名を変更している大学も目に付く。企業名やさまざまなサービス名にも言えることだが、名称を変更することは新鮮なイメージを与える反面、それまで蓄積してきたイメージをリセットするリスクを伴う。社会が納得するような明確な理由がない名称変更は、大学そのものの信頼度を下げることにも繋がりかねない。
下の表は、この10年以内に大学名を変更した大学の一覧である。これを見て読者の皆さんはどのような印象を受けるだろうか。
単科大学が経営面で弱くなる理由
次に、学部が1つだけの大学、いわゆる単科大学が多いことも特徴である。今回取り上げた14大学のうち13大学が単科大学だ。
これはすなわち、規模が小さい大学ということのみならず、1つしかない学部に学生が集まらなかった場合、別の学部で入学者数をカバーすることができないという経営面での弱みをも意味する。