あなたを中毒にする外国語学習アプリ
誰もくじけない学習法
ユーザーが勉強すれば、翻訳ビジネスがはかどるだけではなく、デュオリンゴ自体の改善にもつながる。「形容詞と副詞のどちらを先に教えればいいかを考えるとき、2つの方法をユーザーにやらせる。その結果、効果の高かった学習法を採用する。こうして教え方をかなり変えてきた」と、フォン・アンは言う。
スペイン語圏の人に英語を教える場合、最初は人称代名詞から教えていた。しかし、英語の「It is snowing outside.(外は雪が降っている)」の「it」の用法はスペイン語にないので、初心者は戸惑った。「だから、もっと後で教えることにした。最初でくじけないように」
デュオリンゴはスピードがあって、楽しく、しかも寛容だ。文法はほとんど説明しない。学習者をプールに放り込み、泳げなかったら助けてくれ、それからまた放り込む。やがて学習者は、自分が水に浮いていることに気付いて大喜びする。
高校のフランス語の授業のように動詞の変化を延々と暗唱させられたりしない。「駅はどこですか?」のような退屈な文の繰り返しもない。しかし数カ月ですっかり話せるようになる。
フォン・アンによれば、デュオリンゴをきちんと修了すれば、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のB2(中級の上)レベルになれる。「ネイティブのようには話せないし、簡単な構文や単語を使うだろう。仮定法は間違っているかもしれない。それでも、聞いたことは理解できるし、本も読めて、映画も見られる」
私にはそれで十分。さて、この辺で失礼しよう。もう少し勉強したいから。そしていつか、ペドロ・アルモドバル監督の映画を全部見てやる。アスタ・プロント!(また後ほど!)
© 2014, Slate
[2014年3月 4日号掲載]