最新記事

新興国

外資参入で始まるインドの小売市場革命

規制緩和でウォルマートやカルフールがこぞって進出すれば、中間所得層の消費刺激になる

2012年1月19日(木)15時09分
マシュー・イグレシアス

黒船 ウォルマートは既に卸売業でインド市場に参入している Munish Sharma-Reuters

 財政危機にあえぐ先進国を尻目に、新興国の経済は拡大傾向を維持し、欧米企業に成長のチャンスを提供している。こうしたなかで先進国の企業が大きな期待を寄せるのは、インドが外資の小売り大手の参入規制を緩和する方針を打ち出したことだ。

 これまで外資の大手スーパーの進出は厳しく制限されていたが、今後はウォルマートやカルフールなどがインド市場にこぞって参入するだろう。

 インドの消費者は食料品価格の高騰に頭を抱えている。インドでは都市部の個人消費のうち、「組織的な」流通経路によるものはわずか8%と言われている。残りは無数の零細な中間業者を経由している。この中間業者が政府に強い圧力をかけ、外資の参入を阻んできた。

 外資の参入で大規模な供給網管理のノウハウがもたらされれば、消費者は大いに恩恵を受ける。だがグローバル化で所得格差が拡大する恐れもある。外資の大手スーパーが莫大な利益を手にする一方で、無数の零細業者が倒産するかもしれない。

 それでも、中流層と低所得層の生活水準が向上する限り、政権が危うくなるほど有権者の不満が高まる心配はなさそうだ。

[2011年12月 7日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相、応援演説で円安メリットに言及 米関税のバ

ワールド

米政府機関の一部が閉鎖、短期間の公算 予算案の下院

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 6
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 7
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中