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自動車逆境の日産リーフを救う「99」の魔法
電気自動車の未来を悲観する声が広がっているが、抜群の高燃費が消費者を引きつけるはず
いよいよ発売 リーフは消費者に受け入れられるか Jessica Rinaldi-Reuters
世界的な電気自動車開発レースに来月、2種類の注目の新車が登場する。日産自動車の電気自動車「リーフ」と、ゼネラルモーターズ(GM)のプラグインハイブリッドカー「シボレー・ボルト」だ。米環境保護局(EPA)は、リーフの燃費を1ガロン当たり99マイル(1リットル当たり約42キロメートル)と公式に認定した。
今後数十年間に電気自動車が市場を席巻するという当初の楽観論は、この数カ月間の悲観論の大合唱で吹き飛ばされそうになっている。電気自動車とハイブリットカーが多量の電力を充電することで、電力網が麻痺するというのだ。
バラク・オバマ米大統領をはじめ、ヨーロッパの多くの国や日本、中国の指導者は消費者の何歩も先を行き過ぎている、と英エコノミスト誌は警告する。USニュース誌も、職場から自宅に帰る途中で動かなくなるような車を買う人はまずいない、と指摘する。
経済ニュースサイトの24/7ウォールストリートのダグラス・マッキンタイアは「電気自動車をはじめとする低排出ガス車で高速道路がいっぱいになるという夢は、希望でしかないのかもしれない」
と書いている。
それでも、1ガロン99マイルという数字(ガソリン1ガロンが33.7キロワット時に相当するというEPAの計算式に基づいている)を聞いて、私の見方は変わった。
ショールームで数々の車のデザインを見比べて吟味した経験は誰にでもあるだろうが、最期は車体価格と、一番大事なメンテナンス費、つまり燃費の表示に厳しい視線を送るものだ。
消費者心理を予想するのは難しいが、99という数字が28や36とは大違いなのは間違いない。GMのシボレー・ボルトの燃費も、1ガロン当たり60マイル(1リットル当たり約25キロメートル)と認定された。これなら、多くの消費者が注目すると思う。
フィナンシャル・タイムズ紙のエド・クルックスは、電子自動車開発に投じた50億ドルの正当性を示せたとして、日産のカルロス・ゴーンCEOはすでにウイニングランを始めている、と書いた。
それはやや時期尚早だ。それでも、99に注意を払おう。大きな意味のある数字だから。
[米国東部時間2010年11月23日(火)11時14分更新]
Reprinted with permission from "The Oil and the Glory," 25/11/2010. © 2010 by The Washington Post Company