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建国60周年を迎える巨大国家の
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北京の環境浄化作戦を続行せよ
五輪期間中の大気汚染対策で当局も市民も効果を実感。さらなる交通規制やエコカー導入の取り組みが始まった
北京市は08年10月から半年間の交通規制実験を実施
Jason Lee-Reuters
08年夏の北京五輪で不安視された問題の一つは、中国政府の大気汚染改善策が効果をあげるかどうかだった。だが、開幕後数日間はどんよりとした空が続いたものの、その後は太陽が姿を現し、疑念の雲は無事に晴れた。
そして今、新たな疑問が浮上している。中国政府は今後も環境対策に力を入れるかどうかだ。
現時点では、期待してもよさそうだ。中国指導部と北京市民は、自動車の使用制限などの環境効果に興奮を隠せない。一部の規制をこれからも続けるべきだという声は、一般市民からも上がっている。中国のエコカー開発プロジェクトの父と呼ばれる万鋼(ワン・カン)科学技術相は言う。「オリンピックはいい教訓になった。環境の改善を求める機運が国中で高まっている」
新しい大気汚染対策の目玉は、北京で登録されている350万台の自動車への規制だ。当局は発言力を増した中流層の反発を懸念して、これまで恒久的な自家用車の交通規制には及び腰だった。
公共交通網の改善も進む
だが、五輪を契機に社会のムードは一変。北京市当局は、車の通行量を200万台分削減した五輪とパラリンピック期間中の対策を参考に、10月11日から半年間の交通規制実験を開始した。
新たな規制では、公用車の3分の1が削減され、公用車と一般車両の5分の1が、週末を除く週1日、使用を禁じられる。二酸化炭素(CO2)排出基準を超える車両数十万台の段階的な削減も、09年10月までに開始する予定だ。
中央政府も近く全国10都市で、公共交通用のエコカー1000台を導入する。北京では五輪期間中、燃料電池自動車23台と電気自動車470台、ハイブリッド車102台が大会関係の公用車として使われ、ドライバーの好評を得た。
地方当局者や一般市民もエコカーを歓迎しはじめたと、万は言う。「五輪は新しい技術の見本市だった。旧型テレビの所有者が、液晶テレビの画面を見れば、買い替える気になる」
五輪をきっかけに、公共交通網も改善された。北京では新しい地下鉄が開通し、空港にアクセスしやすくなった。バス料金は値下げされ、自家用車に代わる足として公共交通の利用も増えた。
その結果、大気汚染や渋滞が改善されたため、最新の世論調査では交通規制を支持する声が3分の2を超えた。今回の新規制の実施で北京の車の交通量は1日80万台減り、市民は週1日の割合で公共交通の利用を義務づけられる。
もちろん、大気汚染との戦いはこれからが本番だ。五輪期間中は北京周辺で建設工事の中断や工場の操業制限・停止が行われたが、こうした対策はあくまで一時的なもの。今後数カ月間で、汚れた空気が戻ってくる可能性は高い。