- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 「コロナ後の世界」に立ちはだかる2つの難題
「コロナ後の世界」に立ちはだかる2つの難題
2番目は「アフリカなど南半球での感染拡大継続」という問題です。今回の新型コロナウイルスは、過去のコロナウイルス、例えばSARSやその他のインフルとは違って、高温多湿でも感染力を保つ可能性が指摘されています。ですが、コロナウイルス一般の性質として、RNAを囲んでいるタンパク質のケースは温度や湿度には弱く、北半球の夏場には活性度が下がることが期待されます。
ですが、その場合でも、反対に秋から冬を迎える南半球でのパンデミックが続くようですと、北半球の秋以降の「第2波」がより深刻なものとなる危険が増します。と言うことは、この間、南半球での感染拡大を阻止するために、国際社会の協力が必要です。つまり、WHOを批判している場合ではないわけで、改革や人事が必要ならそれを行った上で、WHOを中心に国際社会が結束して、南半球でのパンデミック阻止に動かなければなりません。
この2つの問題は重要ですが、現時点のアメリカやヨーロッパには、そうした戦略的な支援や対話を行う余裕は極めて乏しいのが現実です。その意味で、人口あたり死亡数が、一桁から二桁低い日本の場合は、国際協調のイニチアチブを取ってゆく責任があるように思います。日本にとって「コロナ後の世界」を考えるとは、そうした問題ではないでしょうか。
施政方針演説で気を吐くトランプに、反転攻勢の契機がつかめない米民主党 2025.03.06
令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくなる? 2025.02.26
ニューヨーク市長をめぐる裏切りのドラマがリアルタイムで進行中 2025.02.19
トランプの政策に日本の現状を重ねて共感するのは、とんだお門違い 2025.02.12
石破首相は日米首脳会談でガザ難民受け入れ問題をスルーするべき 2025.02.06
「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由 2025.01.29
驚きの大統領就任演説、インフレ退治を約束したトランプ 2025.01.22