プレスリリース

インクジェット捺染プリンター 「FOREARTH(フォレアス)」の開発について

2023年05月10日(水)14時30分
京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本秀夫、以下 京セラ)は、繊維・アパレル業界で長年の課題であった、捺染※時の水質汚染などの解決に貢献する、デジタル捺染の新製品インクジェット捺染プリンター「FOREARTH」(フォレアス)を開発しました。
※生地に模様を印刷すること。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/img_355047_1.png
インクジェット捺染プリンター「FOREARTH」

■開発の背景
従来、繊維・アパレル業界では、生地を染める際に、スチームや洗浄などの工程で大量の水を使用しており、その排水による水質汚染が世界的な問題となっています。加えて、在庫過多による大量廃棄問題も注目されており、早急な対応を迫られています。
京セラは、これらの課題解決に貢献するため、高速・高画質印刷を実現するインクジェット技術と、京セラドキュメントソリューションズのインク・機器開発技術を融合させ、以下の3つの特長を有した製品を開発しました。

京セラのインクジェット捺染プリンター「FOREARTH」の特長
(1)Water Free Concept:
水の使用量を限りなくゼロまで削減した生地印刷
(2)Creative Free:
独自開発の顔料インクで柔らかな風合いと、高い堅牢性を両立。フルカラー印刷を多種多様な生地で実現
(3)Location Free:
水資源に依存しない捺染で、設置場所を選ばず、適地・適量生産により、物流コストや在庫の削減に貢献

■本製品の特長
(1)Water Free Concept:水の使用量を限りなくゼロまで削減した生地印刷
一般的な捺染では、染料※1を使用しますが、前処理や後処理であるスチーム、洗浄といった工程で大量の水を使用します。
本製品は、独自の顔料インク※2と前後処理液を同時に印刷することで、印刷、乾燥以外の工程を不要としたオールインワンプリントシステムです。これにより、従来の染料アナログ捺染に比べ、水使用量を99%削減※3することを可能としました。
また、従来の捺染に必要であった前後処理機やスチーマーなどの大規模な設備機器が不要となることから、エネルギー消費量とCO2排出量の削減にも貢献します。

※1 染料は、分子レベルで水に溶けている着色剤。生地に色を染み込ませて染色する。
※2 顔料インクは、顔料粒子が水に溶けずに分散しているインク。生地の表面に付着させて印刷する。
※3 当社調べ(2022年)。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/img_355047_5.png
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/img_355047_6.jpg


(2)Creative Free:独自開発の顔料インクで柔らかな風合いと、高い堅牢性を両立。フルカラー印刷を多種多様な生地で実現
染料捺染では、生地の種類に応じて異なるタイプの染料・機器を準備する必要があります。一方で、本製品は、独自の化学材料技術と新しい印刷プロセスによって、顔料インクの発色・風合い・堅牢性といった品質課題を克服しました。これにより、システムやインクを変えずに、綿、シルク、ポリエステル、ナイロン、混紡など多種多様な生地への高精細な印刷を可能とし、レディースファッションから、スポーツウェア、ベビーウェア、ホームテキスタイルまで幅広いカテゴリーでご利用いただけます。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/img_355047_4.png

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/img_355047_3.png
「FOREARTH」で印刷した生地

(3)Location Free: 水資源に依存しない捺染で、設置場所を選ばず、適地・適量生産により、物流コストや在庫の削減に貢献
従来のアナログ捺染工場は、大量の水を必要とするため、水資源の豊富な場所に設置されてきました。本製品は、印刷にほぼ水を必要としないため、設置場所の制限をなくし、適地・適量生産を可能にします。
また、本製品は印刷と乾燥のみというシンプルな工程で、デザインから生産までの工数を大幅に短縮。これにより、小ロット印刷や短納期にも対応できるため、物流コストや余剰在庫の削減に貢献します。
さらに、従来の捺染印刷では、複数の印刷工程を別設備で行うため、下図のような大規模な生産設備と設置面積が必要でしたが、本製品では、非常に小さな面積で印刷生産設備を構築できます。

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/img_355047_2.png

■関連情報サイト
インクジェット捺染プリンター 「FOREARTH」
https://www.kyoceradocumentsolutions.com/ja/our-business/industrial/textile-printing/index.html?utm_campaign=or&utm_medium=other-medium&utm_source=other-source&utm_term=kc-press&utm_content=forearth

■基本性能
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/table_355047_1.jpg


■「ITMA2023」出展概要
京セラは、本製品をイタリアのミラノで開催される世界最大の国際繊維機器展示会「ITMA(イトマ) 2023」に出展します。展示会初日の6月8日(木)14時(中央ヨーロッパ時間/CET)よりマスコミ関係者向けに本製品の説明会をRoom GAMMA 5で実施する他、会期中、当社ブースにて実機を使った捺染のデモンストレーションも行う予定です。
表2: https://www.atpress.ne.jp/releases/355047/table_355047_2.jpg


※「FOREARTH」は、京セラ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。



詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米中緊張緩和への期待で安心

ビジネス

米経済活動は横ばい、関税巡り不確実性広がる=地区連

ワールド

ウクライナ大統領のクリミア固執発言、和平交渉の障害

ワールド

米中関税の相互的な引き下げ必要、進展に緊張緩和不可
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    ウクライナ停戦交渉で欧州諸国が「譲れぬ一線」をア…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中