Picture Power

【写真特集】破壊の下に横たわるトルコ1万年の歴史

BROKEN MEMORIES

Photographs by ANDRÉAS LANG

2023年08月26日(土)15時15分

『ハサンケイフ』トルコ南東部(2021年)2020年、ダム建設の影響により古代都市が水没。19世紀末から20世紀初頭にオスマン帝国によるアルメニア人の虐殺が起こるまでは、アッシリア人とアルメニア人が多く住んでいた

<トルコ南東部のハサンケイフは、ダム建設によって1万年以上の歴史と共に水没した>

メソポタミア文明最古の都市の1つとされるトルコ南東部のハサンケイフは、チグリス川をせき止めて建設されたウルス・ダムにより、その1万年以上の歴史と共に水没した。写真家アンドレアス・ラングは、破壊が生んだ新たな時代の下に横たわる、幾多の歴史の層を写し出す。

新刊写真集『ブロークン・メモリーズ』では、多様な勢力が入り乱れ、衝突を繰り返してきた諸文明の十字路であるトルコの歴史を、ラングが「視覚的考古学」と呼ぶ手法で可視化。歴史の消滅や人々の無関心にあらがいながら、不連続な記憶の修復を図る。

考古学者が慎重に発掘を進めるように、写真の細部に目を凝らせば、奥底に埋没した歴史物語が浮かび上がる。

ppturkey02.jpg

『聖サルキス教会跡』ディヤルバクル(2021年)/街の中心地スールにあるアルメニア教会。16世紀の建立といわれ、2019年の豪雨と地震により建物の一部が崩壊した。2015~16年のトルコ治安部隊とクルド人武装勢力の戦闘では、スールのほとんどが破壊された

ppturkey03.jpg

Broken Memories『ブロークン・メモリーズ』/ケルバー社刊 40ユーロ

©Andréas Lang VG Bildkunst Bonn 2023 from "Broken Memories" by Kerbar Verlag

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏がサウジ皇太子と会談、イラン製無人機

ワールド

中東情勢悪化に伴う影響「予断持てず」、原油動向次第

ビジネス

中東情勢悪化に伴う影響「予断持てず」、原油動向次第

ワールド

G7、緊急石油備蓄の共同放出を協議へ=FT
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ルートとは?...スクワットの真実
  • 2
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 3
    大江千里が語るコロナ後のニューヨーク、生と死がリアルな街で考える60代後半の生き方
  • 4
    「溶けた金属のよう...」 ヨセミテ国立公園で「激レ…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 7
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    最後のプリンスが「復活」する日
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 5
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story