- HOME
- Picture Power
- 【写真特集】ブラジル先住民に死と病を運んだゴールド…
【写真特集】ブラジル先住民に死と病を運んだゴールドラッシュ
DEADLY GOLD RUSH
Photographs by LALO DE ALMEIDA
ブラジル北部ロライマ州で、観光保全当局によって焼かれた違法採掘者の飛行機
<違法採掘者が持ち込んだ病や犯罪、環境汚染によって、アマゾン先住民族の多くの子供が命を落とした>
ブラジルの先住民族ヤノマミ族が、金を違法に採掘する者たちから命の危険にさらされている。ヤノマミ族が暮らすのは、ブラジル北部のアマゾン熱帯雨林地域。ジャイル・ボルソナロ前大統領が先住民居住地での鉱物採掘を認めたことで、地下に眠る鉱物資源を手に入れようと、約2万人の違法採掘者が殺到した。
しかしこの「ゴールドラッシュ」は、狩猟と採集を生業とするヤノマミ族にとっては侵略、破壊行為に等しかった。侵略者は人口約3万のヤノマミ族居住地にマラリアなどの病や犯罪を持ち込み、金の精製過程では水銀が川や土壌を汚染。魚などを介した水銀中毒が発生したため、食糧難と栄養失調が深刻化した。前政権下の4年間で、死亡した5歳未満のヤノマミ族の子供は少なくとも570人に上る。
ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ現大統領は今年1月の就任直後に非常事態宣言を出し、違法採掘者の撲滅に乗り出した。だが、ヤノマミ族が侵略者から奪われたものはあまりに大きい。
この筆者のコラム
【写真特集】対立と隔絶と ノアの方舟伝説の地は今 2024.10.11
【写真特集】透明な存在にされたアフガニスタン女性たち 2024.10.10
【写真特集】購入希望者殺到「1ユーロ住宅」が変える過疎地の未来 2024.09.28
【写真特集】ハンセン病隔離と継承された「生」 2024.09.12
【写真特集】積み重なる風景~「陰と陽」が過去から背負うもの 2024.09.02
【写真特集】ウクライナ戦争 悲劇と誇りの記憶をたどって 2024.08.23
【写真特集】死に向き合うモリー先生が遺した言葉 2024.07.30