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【写真特集】驚きと躍動と謎に満ちた野生の世界
HERE'S MOTHER NATURE
Photographs by 2021 Wildlife Photographer of the Year
「海洋─大局的」部門『 繁殖地の融解』/ジェニファー・ヘイズ(アメリカ)
解けゆく海氷の上のタテゴトアザラシと生まれたての赤ちゃんたち。赤い斑点は出産による血の跡だ。「息をのむような命の鼓動だった」とジェニファー・ヘイズは言う。タテゴトアザラシは毎年秋に北極圏から南の繁殖地へ移動し、海氷が張るまで出産を待つ。アザラシの生息に必要な海氷は気候変動で縮小しつつあり、個体数の減少も免れない。Jennifer Hayes/2021 Wildlife Photographer of the Year
「フォトジャーナリズム」部門 『エレファント・イン・ザ・ルーム』/アダム・オズウェル(オーストラリア)
タイの動物園の子ゾウの芸当に、アダム・オズウェルは困惑したという。この手のショーは教育的価値があるなどとうたわれるが、愛護団体によれば動物に不自然な行動をさせる虐待だ。ゾウを使った観光はアジアで増えており、タイでは野生より飼育ゾウのほうが多い。Adam Oswell/2021 Wildlife Photographer of the Year
「行動:鳥類」部門『親密な触れ合い』/シェーン・カリン(カナダ)
冬のさなかのカラスの求愛行動。カナダのシェーン・カリンは凍った地面に横たわり、羽毛の細部を捉えるためライトを落として撮影した。カラスのつがいは一生同じ相手と過ごす。2羽はコケや小枝を贈り合い、互いに羽づくろいし、優しい声で鳴いて絆を深めていた。Shane Kalyn/2021 Wildlife Photographer of the Year
「ライジングスター・ポートフォリオ賞」部門『クールタイム』/マーティン・グレグス(カナダ/スロバキア)
暑い夏の日、カナダのハドソン湾で遊ぶ2頭のホッキョクグマをドローンで撮影したもので、組み写真『ホッキョクグマの地上時間』の中の1枚。気候変動による彼らの苦境から目はそらしたくないが、違った角度からの姿も見せたいとマーティン・グレグスは思っている。Martin Gregus/2021 Wildlife Photographer of the Year
「都市の野生生物」部門 『クモの部屋』/ギル・ワイゼン(イスラエル/カナダ)
ギル・ワイゼンはある日、ブラジルの寝室の至る所で小さなクモを発見。ベッドの下を調べると人間の手ほどの大きさで、世界で最も有毒なクモ、ブラジルドクシボグモが卵を守っていた。外に逃がす前、実際より大きく見えるよう広角レンズを用いた強化遠近法で撮影した。Gil Wizen/2021 Wildlife Photographer of the Year
「自らの環境における動物」部門『ハイイログマの食べ残し』/ザック・クロージア(アメリカ)
ザック・クロージアは米モンタナ州で、エルクの死骸のそばにカメラトラップを仕掛けた。雪解け水の流れの上に倒木で橋を造ったが、現場に戻ったときにはカメラはハイイログマに壊されていた。これはそのカメラで撮影された写真のうち、最後の1枚だ。Zack Clothier/2021 Wildlife Photographer of the Year
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