Picture Power

【写真特集】1979年、レズビアンたちの肖像

EYE TO EYE: PORTRAITS OF LESBIANS

Photographs by JEB

2021年05月08日(土)15時15分

グロリアとシャーメイン(メリーランド州ボルティモア、1979年)

<70年代のアメリカで被写体となることは、レズビアンにとって大きな勇気が必要だったに違いない>

1979年に出版されたジョーン・E・ビレンの『Eye to Eye――レズビアンたちの肖像』は、当時のアメリカにとって革命的な写真集だった。アメリカで初めて、レズビアンという存在を公に写真で可視化したからだ。

「JEB」の別名でも知られるビレンは70年代のアメリカで、仕事や娯楽、家庭生活、恋愛、社会を変える闘いなど、レズビアンの日常を赤裸々に描いた。その被写体となることは、差別の対象だったレズビアンにとって大きな勇気が必要だったに違いない。だが彼女たちは、自らの名前とありのままの姿をさらした。

その勇気と行動は、アメリカにおけるレズビアンの立場を変えた。社会に無視され目に見えない存在だったのに一躍、表舞台に立ったのだ。

そして今年3月、政治的な動きまで後押ししたビレンの写真集が、新たなエッセーを追加した上で再出版された。今なお完全には差別から解放されたとは言い難い同性愛者にとって、再出版は40年前と変わらぬ重要性を持ち続けている。

pples02.jpg

<ローリとバレリー(ワシントン、1978年)>女性だけの自動車修理工場で働く2人。自立のための技術を身に付けることは、性的マイノリティーが自由を得る手段となってきた

pples03.jpg

ペーガンとカディ(ニューヨーク州モンティセロ、1978年)

pples04.jpg

<メーベル(ニューヨーク州ニューヨーク、1978年)>メーベル・ハンプトンは、レズビアンを含む同性愛者たちと黒人の両方のコミュニティーの権利拡大のために活動した著名な女性

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ソマリランドを初の独立国家として正式承

ワールド

ベネズエラ、大統領選の抗議活動後に拘束の99人釈放

ワールド

ゼレンスキー氏、和平案巡り国民投票実施の用意 ロシ

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story