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vol.2 東京大学公共政策大学院特任教授 河合正弘さん
次世代エコカーの普及が社会の低炭素化に貢献する
──経済発展が続く新興諸国では、深刻な環境問題に直面しています。マイカーが急速に増大しているアジアの国々でも、エコカーは注目されているのでしょうか。
環境意識が形成されている中間所得以上の層では、エコカーへの関心が高まっていますが、一般の人々への普及という面では、初期費用がある程度かかることがネックになっています。所得向上とともにさらに多くの層に環境意識が高まれば、燃料コストも安く済むPHVをはじめとするエコカーが一気に普及することも考えられます。
──特に著しい経済成長を遂げてきた中国の環境対策の現状はどうですか。
ここにきて減速したとはいえ、中国は依然7%前後の成長を続けています。猛烈な勢いで経済発展をしている国が排出する炭素の絶対量を減らすのは困難ですが、大気汚染による健康被害から国民を守る必要性に迫られたことから、ようやく排出総量を下げていく方針が打ち出されました。他のアジア新興諸国でも、手遅れにならないうちに環境対策に乗り出すことが重要です。
──いずれはアジア全体にもエコカーが広まることになりそうですね。
私たちはアジアという大きなまとまりのなかで、低炭素化に向けたグローバルな連携を図っていかなければなりません。そこでは省エネビルや鉄道をはじめ、日本の環境技術が大きな役割を果たすはずです。それと並行して、人々の生活を支えるモビリティの面でも、エコカーが普及しなければなりません。中国をはじめとするアジア各国でも再生可能エネルギーを活用する意識が芽生えつつあり、ガソリンと電気の両方で動くPHVへの注目度は今後増すでしょう。ひとたび普及し始めれば規模による経済優位性が生じ、PHVがアジア全域でもマイカーのスタンダードになる可能性は高いと思います。
■充電電力使用時走行距離は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象・渋滞等)や運転方法(急発進・エアコン使用等)に応じてEV走行距離は大きく異なります。
※1 エンジン、リチウムイオンバッテリーの状態、エアコンの使用状況や運転方法(急発進・所定の車速を越える)、道路状況(登坂)などによっては、バッテリー残量に関わらずEV走行が解除され、エンジンが作動します。
※2 お客様の使用環境(気象・渋滞等)、運転方法(急発進・エアコン使用等)によっては、ガソリン使用量・CO2排出量が低減されない場合があります。