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PHVが拓くこれからのモビリティ

vol.2 東京大学公共政策大学院特任教授 河合正弘さん
次世代エコカーの普及が社会の低炭素化に貢献する

2015年10月06日(火)10時00分

気候温暖化を抑止するための低炭素社会の実現が、地球規模での課題となっている。中国とインドだけでも世界の3割以上の二酸化炭素を排出し(※)、その他の新興諸国でも急速な経済発展が続くアジアにおける低炭素化は、とりわけ急務だといえる。「今後はアジアという枠組みでの取り組みも不可欠で、高い環境技術を持つ日本が貢献できることは多い」と指摘する東京大学公共政策大学院の河合正弘特任教授に、より効果的な省エネ政策について提言してもらうとともに、プリウスPHVに代表される次世代エコカーが低炭素化に貢献できる可能性について語ってもらった。
※EDMC/エネルギー・経済統計要覧2015年版

河合正弘さん01

──地球温暖化をくい止めるには、温室効果ガスの排出を抑制する低炭素社会の構築が不可欠です。先進諸国を中心としてそのための省エネ対策が進められていますが、日本の取り組みレベルは各国と比較してどうですか。
 エネルギー資源を海外に依存しなればならない日本は、世界でもトップクラスの省エネ技術を有しています。その背景にあるのは、1970年代に経験した二度のオイル・ショック。石油価格が高騰したため、産業界全体も国民一人一人も、懸命にエネルギーの節約に取り組みました。現在の世界に誇れる日本の環境技術は、オイル・ショックがあったからこそ発達したともいえます。当時の私たちには単に「節約」という意識しかありませんでしたが、実は日本は、いち早く社会の低炭素化を実践してきているんですよ。

──技術だけではなく、個々の日本人の省エネに対する意識も国際的に高く評価されているようですね。
 もともとの国民性に加えて、環境教育が充実していることから、日本人の省エネに関する意識は諸外国と比べて非常に高いといえます。意外かもしれませんが、訪日するアジアの人たちの多くが、「東京の空気はきれいだ」と感心されます。このことはまさに、私たちが環境問題にしっかりと向き合ってきた成果ですし、環境対策の面でも、日本はアジアの国々の手本となり得るということです。

──実効力のある省エネには国の施策が不可欠ですが、その面ではいかがでしょうか。
 「省エネ法」や「地球温暖化対策の推進に関する法律」(温対法)などがある日本は、法整備の面でも充実していると思います。今後の課題として挙げられるのは、EU型のキャップ・アンド・トレード制度の本格的な導入でしょう。この制度は、企業や国の炭素排出枠を定め、それを上回って排出する企業や国が、枠の余った企業や国との間で排出権を売買することで全体の排出量を枠内に収めようとするものです。この制度をアジアの国々の間でもつくり、日本がその主導権を握るべきだと私は思っています。

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