SPECIAL ADVERTISING SECTION

PHVが拓くこれからのモビリティ

vol.1 東京工業大学特命教授 柏木孝夫さん
スマートコミュニティにふさわしい車とは?

2015年09月14日(月)10時00分

柏木孝夫さん3

――PHVは、世界のスマートモビリティのスタンダードになるのでしょうか。
 国土の広いアメリカでは長距離走行性が重視され、欧州ではクリーンディーゼルの開発に力が注がれてきました。国や地域ごとに事情や技術的背景が異なるので、そのあたりはなんともいえませんが、比較的短距離の移動が多く、ハイブリッド技術を発達させてきた歴史を持つ日本では、PHVがベストな選択だということになるでしょう。

――バッテリー容量が4.4kWhあり、非常用電源の役割を担うことが可能なのも、プリウスPHVの特長の1つですね。
 東日本大震災以降、オフィスや家庭で非常用蓄電池を備える必要性が叫ばれています。いざという時の非常用電源になるPHVは、災害時の停電に対して心強い備えになるでしょう。また、2016年4月に一般家庭でも電力自由化がスタートすると、スマートコミュニティを構成する各家庭は料金の安い時間帯に電力会社から買った電力や、太陽光などで自家発電した電力をためておき、料金の高い時間帯にそれを電力会社に売るということが行われるようになります。現在は非常用としての使用に限られていますが、将来的にはプリウスPHVのバッテリーが家庭用蓄電器として使われるようになるといいと思います。バッテリーが劣化してきたら車から取り出し、添え置きの家庭用蓄電器として利用してからリサイクルするようにすれば、省資源にも貢献できます。そうした利用の仕方がなされれば、電力の安い時間帯にPHVを充電しておくなど、エネルギーを賢く使う意識も芽生えてくるでしょう。

phv.jpg――PHVがこれからの社会に果たせる役割は多面的なんですね。
 冷暖房を完備し、音楽を聴いたりテレビを見たりもできる今の車って、「小さな家」みたいなものですよね。そしてPHVなら、そのための電気を走行中に充電したり、燃費向上や電力節約などのためにEVモード(※1)とHVモードを切り替えたりもできる。いざという時には、非常用電源にもなるプリウスPHVは、これからのスマートコミュニティ(スマートシティ)のあり方そのものを示唆しているように私には思えます。

■充電電力使用時走行距離は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象・渋滞等)や運転方法(急発進・エアコン使用等)に応じてEV走行距離は大きく異なります。
■リチウムイオンバッテリーの充電量が少なくなると、停車時でもエンジンがかかります。一部地域では車両の停止中にエンジンを始動させた場合、条例に触れ罰則を受けることがありますので充分にご注意ください。

※1 エンジン、リチウムイオンバッテリーの状態、エアコンの使用状況や運転方法(急発進・所定の車速を越える)、道路状況(登坂)などによっては、バッテリー残量に関わらずEV走行が解除され、エンジンが作動します。
※2 JC08モード(国土交通省審査値)。

プロフィール

柏木孝夫

柏木孝夫(かしわぎ たかお)

◎東京工業大学特命教授。1946年東京生まれ。70年東京工業大学工学部卒業。79年博士号取得。米国商務省NBS(現NIST)招聘研究員、東京工業大学助教授、東京農工大学工学部教授などを経て、2007年東京工業大学大学院教授に就任。先進エネルギー国際研究センターを立ち上げ、センター長となる。12年4月より特命教授。経済産業省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長、日本エネルギー学会会長、日本学術会議連携会員などを歴任。

MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 7
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 8
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中