SPECIAL ADVERTISING SECTION

フランス人と行く!四国お遍路

日本唯一のNYタイムズ「行くべき場所」は、文化体験や人との交流が魅力

2015年12月25日(金)17時10分

 ここで私たちは、なんと歩きお遍路24周目というご夫婦に出会った。山の中腹にあるようなお寺でも、お遍路さんに遭遇することは珍しくない。

ohenro1-11l.jpg

お参りをしている24週目のお遍路さんご夫婦

 ご夫婦が言うには、4年間全く家に帰っていない(!?)60周目の方とお会いしたことがあるそうだ。歩きお遍路だと1周するのに約40日かかると言われているので、1周の重みがお分かりいただけるだろうか。若い日本人お遍路さんも意外に多く、カップルで回っている人たちを太龍寺だけでも数組見かけた。

 ちなみに、歩きお遍路の最高記録は大正時代の中司茂兵衛という人物の280周だという。「車お遍路」まで合わせると、560周という猛者までいるそうだから驚きだ。

 厳しさの中で生まれる、ただの観光ではできない文化的な体験や人との交流が四国お遍路の魅力のひとつだろう。先ほどまで弱音を吐いていたFさんも、その深い魅力を知っていくなかで徐々に、歩きお遍路で一周してみたいと思うようになったようだ。

 次に向かったのは、第二十三番札所の薬王寺(やくおうじ)。ここは厄除寺として有名で、男女それぞれの厄年の段数になっている階段があり、賽銭しながら登ることで厄払いができると言われている。

 他にも、年齢の数だけ叩いて厄除をする随求の鐘など、厄除に関するものがいくつもあり、お遍路さん以外の参拝者も多く見受けられた。さらに、この付近にはフランス人ご夫婦が経営している民宿「お宿 日和佐」などもあり、外国人お遍路さんも宿泊がしやすくなっている。

 さて、実はお遍路には、四国別格二十霊場というものもある。これは、八十八霊場には入っていないものの、弘法大師ゆかりの地として信仰されてきた特別版といった位置付けのお寺で、これらもよくお参りされている。

 ここで私たちは、その別格二十霊場のひとつ、別格霊場四番の鯖大師本坊に立ち寄った。鯖というのは、もちろん魚の鯖のことで、死んでいた鯖を弘法大師が生き返らせたのがその由来と言われている。

 ここには他では見られない特別な大師像が祀られていると、モートン先生が教えてくれた。早速確かめてみると、まさにここにしかいないであろう弘法大師像が! 右手に妙にリアルで大きな鯖を持ち、微笑を浮かべながらすっくと立っている弘法大師像だ。どんな姿か気になった方は、ぜひ足を運んで自分の目で確かめてみてほしい。

 また、別格二十霊場だからといって見所がないわけではなく、立派な本坊や護摩堂などもあってオススメのお寺だ。

ohenro1-12m.jpg

>鯖大師本坊の本堂奥にある護摩堂。威厳のある空間は、外国人お遍路さんに人気があるそう

 その後、長い海岸線を50キロほどひた走り、2日目の最後に訪れたのは第二十四番札所の最御崎寺(ほつみさきじ)だった。

 近くに御厨人窟(みろくどう)という海に面した洞窟があり、弘法大師はここで修行をして悟りを開いたと言われている。その時そこから見える景色が空と海だけだったことから、法名を「空海」としたのだとか。

 熱心に取材メモを取っていたFさんは、そこで「その法名こそが悟りの証拠なのね!」と、ひと言。周囲を「なるほど......」と唸らせていた。

 そんなわけで最御崎寺は、数ある弘法大師ゆかりの地の中でも非常に重要なお寺とされているが、実はここには「恋人の聖地」といわれる室戸岬灯台もある。まさにカップルお遍路さんにオススメだといえるだろう(私とFさんには関係のないことだが......)。

ohenro1-13m.jpg

室戸岬灯台から海を望む

 さて、第1回はここまで。今回は徳島から南下していったが、次回は西へ向けて、海沿いにお遍路を進めていく。

ohenromap2l.jpg

[DAY 3-4] どのお寺にもユニークな特徴があり、弘法大師ゆかりの逸話がある はこちら

[四国お遍路の詳しい情報はこちら]
巡るめく四国 四国地区公式観光サイト(英語もあり)
四国八十八ヶ所霊場会 公式ホームページ

プロフィール

山崎勇歩

ライター、デザイナー。1987年千葉生まれ。武蔵野美術大学卒。外資系広告代理店でのクリエイティブ職を経て、現在に至る。

MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?...「単なるホラー作品とは違う」「あの大作も顔負け」
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    「酷すぎる...」ショッピングモールのゴミ箱で「まさ…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中