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日本でキャンプ人気再燃! 今度こそ「大丈夫」と期待される理由

2019年07月23日(火)16時50分
高野智宏

キャンプ場の18%が「外国人が増えた」

この好機を逃すまいと、キャンプ場もさまざまな仕掛けで新たなニーズを掘り起こそうとしている。

埼玉県の「長瀞オートキャンプ場」は、女性専用のシャワールームにオムツ替え&授乳所、女性専用のパウダールームも設置するなど、女性がキャンプ場に対して抱いていた不満を解消。さらには女性限定の「ガールズキャンプ」を開催するなど、女性キャンパーの開拓に余念がない。

また、茨城県の「大子広域公園オートキャンプ場」では、子育てが一段落しキャンプを休止していた50代以上の世代に向け「オヤジキャンプ」を提案。3年前の初回は20組程度の参加者だったが、今年は100組以上が参加と人気イベントに成長しているという。

加えて、昨年ついに過去最高となる3000万人を超えた訪日外国人だが、キャンプ場にも徐々にその影響が出始めている。日本オートキャンプ協会に加盟するキャンプ場の18%が「外国人が増えた」という印象を持ち、昨年は1施設当たり平均して約60人の外国人客が訪れたというのだ。

さらには今年9月、キャンプの世界的組織であるF.I.C.C.の世界大会が福島県の羽鳥湖高原で開催される。「世界中からキャンパーが集結します。福島が震災から着実に復興していること、そして、日本には観光地だけでなく素晴らしいキャンプ場も各地に存在することを世界にPRできる、絶好の機会となるはずです」と、堺さんは期待を寄せる。

約20年ぶりに訪れたキャンプブーム。自然とその不便さを楽しむアナログな行為を醍醐味とするキャンプの魅力を、動画投稿サイトやSNSといったデジタルなツールが広めているのは、ある意味では皮肉だろう。しかし、その爆発的ともいえる拡散力が、第一次ブームをしのぐ規模のアウトドアムーブメントを創造するかもしれない。

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