スメハラを防げ──活性化する日本の「におい対策」市場
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<誰もが嫌う体臭や口臭。これら「におい問題」を解決してくれる優れた商品が、いくつも登場している>
男性用化粧品メーカーのマンダムが25〜49歳の男女1028人に調査した「職場のニオイに関する意識調査2017」によると、「職場での周囲の身だしなみで"どうにかして欲しいこと"」の問いで67.1%の得票率を獲得し、第1位となったのが「ニオイ(体臭)」。
これは、フケ(42.3%)に鼻毛(31.9%)、さらには伸びた爪・汚い爪(28.1%)などを大きく引き離す圧倒的な結果となった。しかも、前回調査(2014年)の60.4%から6.7ポイントも上昇している。最近では、においによって周囲に迷惑をかける行為を指す「スメハラ(スメルハラスメント)」なる言葉もささやかれるようになった。
意識調査に比例するように、日本の「におい対策」市場は活性化している。マンダムによれば、男性用デオドラント(体臭抑制)剤の市場規模は2013年から4年で約1.2倍に。日経クロストレンドも、消臭芳香剤の市場は成長しているのみならず――例えば、室内用から車用へと――細分化されて拡大し、現在はおよそ850億円になっている(芳香消臭脱臭剤協議会による)と2018年にレポートしている。
これから梅雨そして夏本番と、発汗量が増す季節を迎えるが、それに伴う「におい問題」への対処法はいくつもあるというわけだ。
実際、におい対策といっても、嫌なにおいを消すものから、においの元を断つもの、さらには香りで洗濯物を包み込む柔軟剤のような「いいにおい」を付けるものまで、さまざまだ。においと脳に着目した研究を行う杏林大学の古賀良彦名誉教授によれば、香りには脳を活性化させる効果や、逆に鎮静化させる(すなわち、リラクゼーションの)効果もあるというから、におい対策はスメハラ防止にとどまらない。
日本の消臭芳香剤はかつて、毒を以て毒を制すとでも言うような、別のにおいを加えて嫌なにおいを消すものが多かったと、古賀教授は言う。だが最近は、まず嫌なにおいを消す、その上で香りを付けるという商品が増えてきた。「これは正しい提案だと思う」
古賀教授によれば、「下水や汗のにおいなど、嫌なにおいについては多くの人の意見が一致し、無臭は誰にとっても好まれるが、好きなにおいは人によって異なる」。これまでの研究から、例えばラベンダーはリラックス効果を、レモンは活性化の効果を多くの日本人にもたらすことが分かっているというが、個人差が生じるのは興味深いところだ。
いずれにせよ、におい対策の第一歩は嫌なにおいを消すこと。きちんと対策を講じ、その上で自分と周囲にポジティブな効果をもたらせればなおよいだろう。ここでは、本格的な夏到来を前に、におい対策の優れた商品を4つ紹介したい。