最新記事
シリーズ日本再発見

日本「民泊」新時代の幕開け、でも儲かるのは中国企業だけ?

2017年06月09日(金)18時08分
高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)

さらに、AirBnB以外でも存在感を発揮するのが中国系民泊プラットフォームだ。5月27日に東京・新宿で開催された民泊関連サービスの展示会「バケーションレンタルEXPO」を取材したが、中国系サービスの存在感は圧倒的だった。

自在客、途家網(東京民泊ページ)という大手民泊サイトに加え、新興の小猪網、海外(中国以外)を専門とする住百家(東京民泊ページ)というプラットフォームが参加していた。自在客、途家網は日本に事業所をオープンし、契約物件の拡大に力を入れている。

他にも、中国人向けに日本の不動産を販売する有一居が参加。中国人が購入した不動産は賃貸、または民泊の形式で運用するのが主流だという。有一居の公式サイトには実際に運営されている民泊物件が公開されている。

japan170609-sub.jpg

参加企業の1つ、自在客のアプリを試してみた。起動すると、トップページに日本の物件が真っ先に表示される

「バケーションレンタルEXPO」で話を聞いた中国民泊企業関係者によると、中国国内での成長が一段落する中、現在では海外市場へと主戦場が移りつつあるという。

民泊新法で「二毛作民泊」が広がる?

今後、日本の民泊業界はさらに拡大する可能性が高い。追い風となるのが住宅宿泊事業法案(民泊新法)の成立だ。

【参考記事】東京五輪まであと4年、「民泊」ルールはどうする?

6月1日に衆院本会議を通過、今国会中の成立が確実視されている。新法ではこれまで一部自治体に限定されていた旅館業法の適用除外が全国的に解禁される。これにより日本全土で「合法」的な民泊の運営が可能となる。

今までも日本全土で民泊は運営されていたが、多くが違法状態だった。合法化のハードルが下がったことで、政府による実態把握と管理が進むことを期待したい。

新法では営業日数を最大180日以内(自治体ごとに短縮が可能)とする規定も盛り込まれている。稼働日数が制限されることでビジネスとして成り立たなくなるとの危惧もあるが、民泊業界は合法的な対策を検討しているようだ。

「バケーションレンタルEXPO」では、繁忙期の180日間は民泊として運用し、閑散期はマンスリーマンションとして一定の売り上げを確保する「二毛作民泊」などの対策が紹介されていた。

日本ではこれまで、近隣住民とトラブル、治安に悪影響、ホテル・旅館業界に打撃などなど、民泊に対するネガティブな報道が目立っていた。一方で、選択肢を増やすことで訪日客数そのものの底上げにつながる、空き家を活用できるといったポジティブな面はさほど注目されていない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米・イラン交渉団、パキスタン首相と個別に会談 和平

ワールド

バンス米副大統領、パキスタンのシャリフ首相と会談

ワールド

米が資産凍結解除に同意とイラン筋、米当局者は否定

ワールド

ガザ平和評議会、資金不足報道否定 「要請全額満たさ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 6
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけ…
  • 7
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中