コラム

日本の中途半端なミャンマー政策 世界からは中国と同一視されかねない

2021年04月13日(火)15時30分

一方、経済優先ということなら、米欧による制裁から距離を置き、中国と交渉しなければ意味がない。

茂木敏充外相は国軍による弾圧について「強く非難する」との談話を発表したものの、日本政府はミャンマーへのODA(政府開発援助)停止には慎重な姿勢を崩していない。このままではどっちつかずという印象を各国に与えてしまうのは確実だ。

米欧各国が制裁を強化するなか、日本だけが関係を維持してきたという点でミャンマーとイランはよく似ている。イランとの協力関係も、アメリカとの関係悪化リスクを抱えた割には大きな利益を得たとは言い難い。

今後は中国によるASEAN支配が進むのは確実であり、ミャンマー以外の国でも似たような事態が発生する可能性は十分にある。これまでの時代は曖昧なスタンスも許容されたかもしれないが、中国が台頭している以上、そうした理屈は通用しなくなりつつある。外交の軸足をどこに置くのか、日本は明確にしておく必要があるだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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